昨日の小沢さんの突然の辞意表明の記者会見には驚いた。
その概要は、朝日新聞の報道によると、
・福田総理の求めによる2度にわたる党首会談で、総理から要請のあった連立政権樹立を巡り、政治的混乱が生じた。民主党内外に対するけじめとして、民主党代表の職を辞することを決意し、本日、辞職願を提出し、私の進退を委ねた。
[代表の辞職願を出した理由]
1.2日の党首会談において、福田総理は、衆参ねじれ国会で、自民、民主両党がそれぞれの重要政策を実現するために連立政権をつくりたいと要請された。また、政策協議の最大の問題である我が国の安全保障政策について、きわめて重大な政策転換を決断された。
(首相の決断)
(1)国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は国連安保理、もしくは国連総会の決議によって設立、あるいは認められた国連の活動に参加することに限る、したがって特定の国の軍事作戦については、我が国は支援活動をしない。
(2)新テロ特措法案はできれば通してほしいが、両党が連立し、新しい協力体制を確立することを最優先と考えているので、あえてこの法案の成立にこだわることはしない。
福田総理の確約は、これまでの我が国の無原則な安保政策を根本から転換し、国際平和協力の原則を確立するものであるから、それだけでも政策協議を開始するに値すると判断した。
2.民主党は、先の参議院選挙で与えていただいた参議院第一党の力を活用して、マニフェストで約束した年金改革、子育て支援、農業再生を始め、国民の生活が第一の政策を次々に法案化して、参議院に提出している。しかし、衆議院では自民党が依然、圧倒的多数占めている。
このような状況では、これらの法案をすぐ成立させることはできない。ここで政策協議をすれば、その中で、国民との約束を実行することが可能になると判断した。
3.もちろん民主党にとって、次の衆議院選挙に勝利し、政権交代を実現して国民の生活が第一の政策を実行することが最終目標だ。
しかしながら、民主党はいまだ様々な面で力量が不足しており、国民の皆様からも、自民党はだめだが、民主党も本当に政権担当能力があるのか、という疑問が提起され続けている。次期総選挙の勝利はたいへん厳しい。
国民のみなさんの疑念を一掃させるためにも、政策協議をし、そこで我々の生活第一の政策が採り入れられるなら、あえて民主党が政権の一翼を担い、参議院選挙を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績も示すことが、国民の理解を得て、民主党政権を実現させる近道であると判断した。
政権への参加は、私の悲願である二大政党制に矛盾するどころか、民主党政権実現を早めることによって、その定着を実現することができると考える。
以上のような考えに基づき、2日夜の民主党役員会で福田総理の方針を説明し、政策協議を始めるべきではないかと提案したが、残念ながら認められなかった。
それは、私が民主党代表として選任した役員から不信任を受けたに等しい。よって、多くの民主党議員、党員を指導する民主党代表として、党首会談で誠実に対応してもらった福田総理に対しても、けじめをつける必要があると判断した。
[報道期間への抗議]
福田総理との党首会談に関する報道について、報道機関としての報道、論評、批判の域を大きく逸脱しており、強い憤りをもって厳重に抗議したい。特に11月3、4両日の報道は、まったく事実に反するものが目立つ。
私の方から党首会談を呼びかけたとか、私が自民、民主両党の連立を持ちかけたとか、今回の連立構想について、小沢首謀説なるものが社会の公器を自称する新聞、テレビで公然と報道されている。
(以下省略)
[小沢さんの声明から読めるもの]
1.小沢さんの事実に反する報道について抗議をそのまま受け取れば、福田さんの「抱きつき政策」と組み合わせた、情報操作による小沢さん追い落としの自民党の謀略に嵌まったことになる。
そして、私が昨日のブログで予想したように、自民党の揺さぶり政策に民主党にうまく嵌まって、小沢さん辞意表明と言う事態になった。
(なお私事ですが、私も昨日のブログで小沢さんの言う読売の偽情報を引用したことになり、彼の話を聞いた一瞬、取り消そうかと思いましたが、その読売が大連立の推進の社説を書いていることから、もう少し事実がはっきりするまではそのまま置いておこうと思っています。但し、引用文が偽情報か否かに関わらず私の意見は変わりませんのでその部分はそのままにしておきます。)
2.小沢さん自身も反対一本槍の国会運営では、自民党提出の法案も通らない代わり、民主党の提案も通らない。
このままでは国民の支持を得られず、次期の総選挙には勝てないと思っていた。
3.その為には民主党の政権の参加が民主党の政策を実施し、次期政権を狙う早道だと考えた。
4.福田さんの国連決議に基づく自衛隊派遣は、小沢さんのかねてからの持論に日の目を見させるものだ。
悪く言えば小沢さんは福田さんの撒いた餌に飛びついたことになる。
然も連立による政権参加は小沢さんが何度も歩いた道だ。
5.このままでは、全て自民党の思う壺だ。
大打撃を受けた民主党、社民、共産?の共闘体制の弱体化→次期の総選挙では自民党が遥かに優位な立場に立つことができる。
6.然し国会は昨日指摘した以上の混迷化に陥り、世界情勢が流動化している状況のなかで、国会の停滞状況が次期の参院選まで続くに違いない。
[民主党へ]
1.大連立は戦時中の大政翼賛会の反省もあり、国民や他の野党からの賛成も得られないし、また国会がチェック機能を失う と言う国益にも反するので反対。
2.小沢さんの発言にあった政策協議は続けるべきだ。
小沢さんは党首会談で、自民党から国連決議に基づく自衛隊派遣と言う大きな譲歩を引き出した。
平たく言えば、民主党は、連立は当面問題が大きすぎるので、見送りにする代わり、今後とも自民党と政策協議を続けることを認めることで、小沢さんの立場を一部認めて(つまり顔を立てて)代表を続けて貰ったらどうか。
3.昨日も書いたが、民主党は政府提案については是々非々を貫いて審議に当たること。
その為には民主も妥協するが、自民へも妥協を要求すれば、国会審議はある程度円滑に進むと思う。
つまり、自衛隊派遣の恒久法成立ー小沢さん以前に主張してきた給油の条件付き賛成、年金流用禁止法案賛成ー政府提案の賛成のバーターだ。
喧々諤々の議論による国会運営の透明化だけでは、今のねじれ国会では審議が進まないのは当然だ。
自民から国会の停滞の責任を全て民主にかぶされるより、小沢さんの言うように民主党案の国会通過でその民主の業績を国民に知らせる方が選挙では優位になると思う。
4.今後の国会運営では、自民、民主のそれぞれが半分づつの主導権を握っている。
ここは両党とも大人の対応をして貰いたいものだ。
5.社民、共産の党首が、連立などは自民打倒と言う国民への約束を破るものだと抗議していたが、国民が民主党に望むのは政権を託するに足る政党になって貰いたいことだ。
そして民主党はその国会運営で、国民から評価されていることを忘れてはならないと思う。
6.昨日も書いたが、前向きの国会の取り組み では国会解散の時期が遅れるかもも知れないし、回り道かも知れないが、結局は政権獲得のための最も確実な方法だと思う。
参照:
さあどうする民民主党
自民・民主の連立構想
カテゴリー → 民主党
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