11月5日22時の読売ONLINEは小沢さんの辞意表明を受けての民主党の対応について概要次のように報じている。
[辞意表明後の民主党の動き]
・緊急役員会を開き、自民党との連立政権を前提とした政策協議は行わないことを条件に、小沢氏を慰留する方針を決めた。
・鳩山幹事長らが小沢氏と会談し、辞意を撤回して続投するよう要請した。小沢氏は回答を留保した。
・菅代表代行は5日の役員会で、同日午前に小沢氏と会談して翻意を求めたことを明らかにし、「小沢氏は連立にこだわっているわけではない。次の選挙で勝ち、政権交代をはかる思いは人一倍強い」と報告した。
・これを受け、役員会は、〈1〉政権交代に向けて引き続き戦っていくため、小沢氏に続投を求める〈2〉自民党との政策協議は必要に応じて行うが、連立は前提としないことを確認した。
・菅、鳩山両氏と輿石東参院議員会長は同日夕、都内のホテルで小沢氏に会い、「役員会の総意として続投を願いたい」と要請した。
・小沢氏は、「ありがとう。けじめだという思いで辞職願を出したばかりだ。心の整理に時間がかかるので、それを待ってほしい」などと述べ、結論は出なかった。
・会談後、鳩山氏は記者団に「党が一体となって、政権交代を求めて、がんばる姿を国民に信じてもらえる状況を作ることが、小沢氏に心の整理をしてもらう一つの環境となる。その方向で、6日に衆参の期別懇談会を行い、党の各議員の意思を確認したい」と述べた。
・党執行部は、小沢氏から6日夜にも回答を得て、党内の混乱を早期に収拾したい考えだ
・然し党内には「小沢氏が無条件で翻意することは考えにくい」との見方もある。
党の役員会の「自民党との政策協議は必要に応じて行うが、連立は前提としない」の確認は読売の報道によれば党の都道府県連の全てが「ノー」の評価を下しているので、いくら小沢さんでもこの事実は認めなければならないことだ。
私が昨日のブログで書いた様に、小沢さんの大連立の考え方の根底にある「政策協議」の必要性を認めることで、小沢さんの顔を立てその翻意を促す意味でも良いことだし、国会の運営を円滑に進めるためにも良い決定だったと思う。
党首の辞意表明と言う、混乱の中の党内部からの不用意な発言は首を捻るものが多かった。
その主なものは小沢さんが自らも政権奪回を言い、党もその方向に走っている今、党の力量不足、国民からの政権担当能力があるか の疑問が提起されている、このままでは次期衆院戦での勝利は難しいなどの発言はけしからんてと言う物だ。
然し、これらのことは私が何度もブログで書いたように、国民の殆どの人がそのように思っていると思うので、小沢さんの指摘は間違っていない。
また「衆院で自民党が圧倒的多数を占めている現状では、民主党が約束した法案を成立させ、民主党が政権担当能力があることを国民に示すことは出来ない、然し自民党の政策協議を行えばそれを実施に移しことができる」と言うのは正論だ。
また小沢さんははっきり言わなかったと思うが、自民党でも同じことで、今の国会では党提案の法律は一本も通っていないし、国にの行方を左右するテロ特措法そのものの論議は全くと言って良い程進んでいない。
小沢さんが政策協議の必要性を考えたのは、民主党の立場と国会の停滞を憂えた上の発言だったと思う。
ここで説明がつかないのは、小沢さんの従来の政権奪回一本槍としか聞こえない発言と今回の発言の整合性の問題だ。
この点については、仮に小沢さんの復帰があったとしても、是非党内で虚心坦懐に討議して、今後の民主党の運営方針の見直し結果を国民に知らせることだ。
[民主党のこれから]
今後の政局は安倍さんや小沢さんの辞意表明のように何があるか判らないが、現状から考えると、
1.小沢さん復帰(または政策協議路線を支持した民主党の新代表)後の自民党との話し合い路線による国会運営の円滑化
2.従来の政権奪回一本槍の考え方を持つ人への民主党の代表交代に伴う自民との対立の激化→国会運営の混迷、沈滞
3.自民党は民主党の混乱とそれに対する国民の民主党の評価(世論調査の動き)を見てさらに揺さぶりをかけてくる。
そして、衆院3分の2条項を適用してテロ新法の強行採決(そうしても次期総選挙での勝つ見込みがはっきりしたとき)→参院での首相問責決議案の可決→解散、総選挙
4.次期衆院戦で民主の勝利→政権交代(但し今の所その可能性は少ない?)
5.次期衆院戦で自民の勝利→国会のねじれ状態の継続→1.または2.の状態が続く
私はさあどうする民主党で海上給油の問題を例に取り上げて民主党の今後の対応について書いた。
[今後の民主党の対応策]
民主党が政権を狙う党としての選択肢は3つあると思う。
1.給油活動に変わる国際貢献の対案の提出
2.何が何でもどんな手段を使っても給油活動停止、国会解散に追い込む。
3.国会打開の落としどころを考える。
小沢さんが拒否していた党首会談を受け入れたのは、国民の反応の動きを読んで、このままでは批判が民主党に集中すると思ったのだろう。
3.が一番国民を納得させる早道だと思うが、今までの給油強硬反対→国会解散の路線からの修正が難しくなる。
今小沢さんの辞意表明で、民主党はがたがたの状態だ。
然し、参院で多数を占める民主党が例に上げた海上給油、アフガン支援問題が示すように、全ての問題で依然として国会運営のキャスティング・ボードを握っている状態は変わらない。
私は、民主党が早く態勢を建て直し、ねじれ国会の状況を前向きに捉えて、是々非々主義を貫くこと、必要な場合は自民党の政策協議をして欲しいと思うし、それが政権奪回への回り道かも知れないが、確実な道だと思っている。
民主党とその代表の適正な判断を願うばかりだ。
参照:
カテゴリー → 民主党
追記:
今連立の話しを両首脳の内誰が先に持ち出したか問題になっている。
小沢さんは自分ではないと言い、福田さんは阿吽の呼吸と言う。
これと噂の中曽根さんのと渡辺恒雄さんの話しを組み合わせれば、両首脳は中曽根、渡辺ラインから連立の話しを聞いて会談に当たったのかも知れない。
然しそんなことはどうでも良いことで、両首脳がそれを持ち帰ったところ何故民主はがたがになり、自民は殆ど揺れなかったについて、民主党が考えねばならぬことかも知れない。
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