昨日のブログで、無辜の民まで巻き添えにする自爆テロを根絶するために、中東でも支持者の多い日本が「暴力はイスラムの本質ではない」と言う穏健派のイスラム教の指導者を応援するのがベストの選択と思う。
その一方日本は、米国から外国からの攻撃をを護って貰うことを保証して貰うために、米軍の活動に何らかの応援の必要があると言うジレンマがある。
その為には何時かは根本的な米国との関係の見直しの必要がある。
と書きましたがまた私の説明不足なのを思い出しました。
武力を行使する米軍を応援する一方で、穏健派のイスラムの指導者を応援しても、胡散臭く見られてしまうので、平和運動をするには、日本が米国に囚われないフリーハンドを持つべきだと言いたかったのです。
このブログはある意味で昨日の続きですが、テーマが大き過ぎてまた中途半端な話しになりそうですが、辛抱して行間の意味を探りながら読んで下さい。
平和主義者、護憲論者、所謂進歩的知識人の人達へ
「平和とは」
約30年前、私が現役のとき、技術協力のため外国に長期出張した時の感想だ。
1.ブラジル
私が住んでいたサルバドルはブラジルの古都だけ街の中心部は、黒と白の石で舗装された綺麗な通りがある一方で、その街の直ぐ裏では、雨水で抉れた赤土の道のがあり、現地の人達が、工事の後外すのを忘れていたと思われる、水道の蛇口を捻って水を盗んでいるような完全な格差社会を眼にした。
然し治安は全くの正常で、最初、何度かバス代をごまかされたことはあったが、独り歩きや、夜歩きも全く安全だった。
その20年後、海外協力の仕事の関係でまたブラジルのサンパウロに行ったときは、Brincsと呼ばれたようにブラジルは発展していたが、現地の人達から治安の悪化で独り歩きや、ドライブのときに絶対にドアや窓を開けないよう注意された。
2.イラン
私がいたころは、ホメイニ革命以前の、パフラヴィー2世の独裁政治下にあり、サバクと言う秘密警察と密告制度で、国民は完全に抑え付けられていた。
私たちが慰安旅行で、テヘランに出たとき同僚が赴任の飛行機の中で逢っただけのイランの人から、全員招待されて独裁の有り様を色々と話を聞かされたことさえある。
それでも治安は完璧で、外出しても工場や橋など写真に取らないことさえ気をつけて居れば、全く安全だった。
なお話が逸れますが、下記の私の直後にホメイニ革命が起こって、残った人達の帰国の輸送をJALから拒否され他国の飛行機を利用して、日本人として恥ずかしい思いをした話も是非読んで下さい。
同胞から救出を拒否された日本人
3.シンガポール
社会主義政党の完全な一党独裁の国で、それにまつわるような日本では考えられないような色々な事態を見聞きした。
一例を上げると、都市開発で土地の人達が反対の新聞記事の後、その地域が火災の報道がが2~3回続いたことに気づいた。一般の火事でもそうだが火災原因は決して報道されない。しかもその裏には土地の人から聞いた出来過ぎた話しもあるが、伝聞なので書くのは省略する。
その他ごみややガム捨てへの罰金などは有名だが、その裏にはそれを摘発する強力な警察機能が無ければ出来ないことだし、土地の人達に言わせると言いたいことが一杯あるそうだが、皆はっきりとは口にしない。
そんな国でも皆良く知っているように、治安は全く正常だ。
これらの国はそれぞれ問題を抱えているが、ルールを守っていさえすれば、十分に正常な生活が送れる。
ブラジルもシンガポールもイランもホメイニ革命まで大戦後戦争をしたことがない。
イランでは秘密警察の手で、反対勢力が投獄され、シンガポールでは何故か反対政党の国会議員の候補者達だけが選挙違反で立件される。
これで平和と言えるのだろうか。
戦争をしないことが平和と言えるのだろうか。
[日本の場合]
(最初に断って置きますが、例に上げた各国はそれぞれの事情があってのことなので、日本より劣っている言って自慢したり非難するつもりは全くありませんのでご了承下さい。)
日本は民主主義が曲がりなりにも浸透し、警察の過剰な介入もなしに、治安も主要国ではトップレベルの位置にある。
私が例として安全のレベルを示す為に上げた「夜歩き」も時々は女子を狙った引ったくり強盗もあるが、まだ他の多くの国に比べれば安全だ。
社会格差もブラジルほどは大きくない。
シンガポールのように、国家権力の過大な国民生活への介入もない。
護憲論者は平和憲法のお蔭で、日本は50年間戦争せずに済んだと言う。
(私は自衛権発動の名のもとの、イラクでの米軍機材の空輸は戦争行為(護憲論を信じる社民党自身もそう言っている)だと思うし、湾岸戦争の際の資金の提供も戦争支援行為だと思うが。)
然し。近頃、陰惨な殺人事件、家庭内殺傷事件、子供や女子を狙った動機のはっきりしない殺傷事件、家庭内暴力、ご近所とのトラブルなどが異常に増えている。
そんな社会が平和な社会だろうか。
今日の報道によれば小中学校のイジメは12万件、携帯とうによるイジメも約5,000件と激増しているとそうだ。
これで50年間戦争がしない日本が本当に平和だろうか。
余裕のある家庭では子供イジメの被害あうこと(と学力低下)を避ける為に私立校を選ぶという。
そのような家庭から避けられた学校で平和な学校生活が送れるだろうか。
そのような社会の劣化を恐れた文科省が道徳を導入しようとすると、軍国主義に繋がると称して、反対する所謂平和主義者の抵抗にあって、このような大切なことが正式な教科として認められないのはおかしくないか。
軍国主義は論外だが、平和な社会の実現も戦争反対と同様に大事だと思う。
[社会劣化の原因]
社会劣化の原因については、
日本の社会環境悪化の原因(1)と、同(2)にも書いたがその概要は、
1.日本古来の美風が忘れられてきている
男らしさ、女らしさ、思いやり、気配り、助け合い、忍耐、質素、長幼の序(年上の人が年下の人を助け、年下の人は年上の人に敬意を表する)などなど
2.教育制度の不備
3.市場経済主義に伴う弊害
つまり、日米の環境の違いも考えずに、米国流の民主主義や市場経済主義を丸呑みにしてきた。
例にあげたブラジル都市部の治安悪化は、米国流の至上主義経済の導入による社会格差の増大によるものが大きいそうだ。
特に権利重視、義務や責任の軽視の教育の影響が大きいと思う。
もし日本が民主主義と日本古来の考え方の良い所をとりあげていれば、今ほど社会が劣化することは無かったと思う。
平和主義者、護憲論者、所謂進歩的知識人の人達は、軍国化を防ぐのも、また例に上げた国の問題点を日本が殆ど持っていないのも当然として、政府攻撃の際と同じ情熱を持って、社会の抱える問題に取り組んで貰いたいものだ。
そしてその為にも、彼らが意識的な避けていると思われる日本古来の美風を是非見直す必要があると思うのだが。
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