23日、余り天気がよいので思い立って小さな山だが、J山→K山→J峠の縦走をした。峠から駅はO町に降りた方が駅に近いが、山道を走る車を避けながら歩くのが煩わしいので、山を降りる近道のあるH集落の方に出るとした。
[村起こしの公園と広い道路]
Hに出た所には近頃流行りの広々とした親水公園が拡がっている。
これも村起こしの一環として開発されたのだろうが、人気のない園内にお決まりのように車が2台止まっているだけ。
峠から降りてきたN町からM市に出る県道は峠道の片道一車線から二車線に拡がったが、自家用車が5分から10分位の間隔で広々とした道を猛スピードで通り過ぎるだけ。
歩道も私のように歩行者には嬉しいが、何故か4メートルの自動車も走れる巾。
私が駅に出る為に左折する交差点につくまでの間の約1時間で逢った人は土地の人らしい人一人だけ。
こんな道路も色々の理由をつけられてこの様な場違いの広い道路になったのだろうが、峠の向こうの町も完全な農村で、これ以上の車の増加は、O町からM市への通勤の車位しか考えられないのだが。
そしてその財源も県が国からの補助金を当てにして作ったのだろう。
[冬眠している田んぼ]
道の両側には整備の行き届いた、稲の刈り取りが終えた広々とした田んぼが眠っている。
この冬眠状態は田植えの準備が始まるまで続くのだ。
昔なら、田を遊ばせない様に、稲刈りの後、直ぐに麦作りの準備をし、余った田んぼは計画的に「れんげ草」を植えて地力の回復を図ったり、菜の花を植えて油を採ったりしていたし、田んぼの畦には大豆まで植えていたのに。
農家の人達も政府の米中心の補助金制度で、(多分補助金の出ない)麦作など採算に合わないとか、米価の低迷(世界的に見れば高い)など、色々な事情があるのだろうが、国の立場から言えば、食料の自給率が40%まで落ちたと心配されているのにこのような事で良いのだろうか。
これを工場に例えれば、貴重な生産資産を10月末から5月の終わりまでの約半年も遊ばせて、それで採算が取れるなら、このような美味しい商売はない。
然も、田植機、稲刈り機など、年にほんの数日しか使わないのは非能率の見本と言うものだ。
昔の田植えから草取り、稲刈りまで人力で行っていたのと比べると労働生産性は上がったが、田んぼの生産性は米の質や、人為的に決められた値段を考慮にいれても、数十%も下がっているような気がする。
昭和16年から導入された新食糧法によれば、輸入米への関税と政府が買い上げる備蓄用の「政府米」でいくらかは米価の下支えをする他は「自主流通米」として、原則として市場原理に任されることになった。
然も農業の会社組織や従来の農業従事者以外の人達の導入で農業の生産性を上げようとしている。
参照:
新しくなった食糧法(改正食糧法)について
[民主党の主張]
これに対して、民主党は公約で農家の所得保証制度の導入を主張している。
然し、それをどのように運用するのか全く不明だ。
勿論、新食糧法には棚田などの狭い田んぼしかない農家や、高齢者の農家が付いて行けないと言う問題がある。
それらへの所得保証は当然だ。
また私が昔に見た様な、田んぼを遊ばせない様に、その地力が落ちないように、一年中うまく使い廻して頑張っている農家も居るに違いない。
こんな農家への所得不足への保証もある程度納得できる。
然し一方では折角の田んぼを稲作ばかりに頼って半年も遊ばせ、不足の収入は農業以外に頼っている兼業農家もある。
多分、いくら民主党でも兼業農家まで所得保証するとは考えてないと思う。
つまり一言で言えば、民主党案の目指すものは農村の今の形の現状維持だ。
半年も貴重な田んぼを半年も遊ばせる対策など何も考えて居ない様だ。
農村問題を悪化させた責任は従来からの政府の将来の形も考えなかった減反制度などのばら蒔き政策の失敗だと言う人も多い。
その失敗に懲りて、農家の生産性向上を目指した新食糧法のほうが将来を見据えた案で先に書いた問題があるにしても遥かに優れている。
次期の政権を狙う民主党は田んぼを半年に遊ばせて、後は出稼ぎに頼る人達をもっと農業に関与させ、貴重な田んぼという農業資産をもっと活用できるような、そして農村の生産性をもっと向上できるような、新食糧法に勝る前向きな提案をすべきだと思う。
[選挙で勝つことしか考えてない民主党]
その他、私の見た、殆ど使われていない村起こしための公園や建物などの箱ものの建設、交通の実情に合わない立派過ぎる道建設などへの政府補助金支出など、政府を攻撃したり、それへの対案の提出などど色々出来ることがあると思う。
然し、次の選挙で農家の票を狙ってのばら蒔き政策を公約にしている民主党の方針を考えれば、農家に不利なるような事はこのまま目を瞑ってしまうに違いない。
こんな事で次期政権を担当できる党と言えるだろうか。
参照:
カテゴリー → 民主党
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