ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

ダニーボーイ

2023年02月24日 | favorite songs

 大人になった天才子役のディアナ・ダービンが主演した「Because of Him」(1945年)という日本未公開の映画がある。

ブロードウエイの内幕を描いた内容で、何度か書いているがこういった題材は日本人になじみがないせいか劇場未公開になることが多く、本作も出演している俳優たちが地味な上に、後半には新作劇のリハーサルシーンが延々と続くこともあって、そうなったのかもしれない。

ダービンはウエイトレスをしながら舞台での役を得ようと運動する女優の卵。チャールズ・ロートンが本人そのままの名優。フランチョット・トーンが次回作の脚本家。

観ていると、スーザン・ストラスバーグの「女優志願」(1958年)とよく似た構造だな、と思わせる。というか、「女優志願」はキャサリン・ヘップバーンの代表作の一つ「勝利の朝(モーニング・グローリー)」(1933年)のリメイクなので、そちらのストーリーの方が古いのだが。

「女優志願」はストラスバーグが女優の卵、これがスクリーン・デビューだったクリストファー・プラマー(トラップ大佐!)が脚本家、ヘンリー・フォンダが有力プロデューサー、ハーバート・マーシャルが舞台の名優、というキャスティングだった。

「Because of Him」の下のシーンは、いったん故郷へ帰り、2、3年真摯に経験を積んでからまた来なさい、と名優ロートンに諭され、タクシーを待つ間、ダービンが失意の表情で「ダニーボーイ」を口ずさむ。この悲しいアイルランド民謡を聞くうちに変わって行くロートンの感情と、意外な結末に胸打たれる。

 

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エイプリル・フール

2023年02月13日 | favorite songs

 作曲バート・バカラック、作詞ハル・デビッドのソングライティング・チームによる佳曲の中でも、彼らが映画「幸せはパリで」(1969年)の主題歌として書き、ディオンヌ・ワーウィックが歌って大ヒットした「エイプリル・フール(THE APRIL FOOLS)」は名曲中の名曲だ。

それだけにカバーもたくさんあるが、今日は高橋幸宏のもの(1983年)を掲げておこう。

 

エイプリル・フール

 

4月の夢の中で

あなたは私の前に現れた

ほほえむあなたの瞳を見つめた時

私はあなたと恋に落ちるだろうと思った

そしてあなたが私の手に触れた時

その夢は叶うと私は知った

 

私たちはエイプリル・フールみたいなもの?

周囲の危うさにも気がつかないような

でももしエイプリル・フールみたいなものだとしても

私は気にしない 今、本物の愛にめぐり会ったのだから

 

私たちは知らなかった

この道がどこへ続いていたのか

こんなにも遠くまで来てしまった

先を急ぎ過ぎたのかも

もう後戻りはできない

この甘美な4月の夢が長続きしないとしても

 

私たちはエイプリル・フールみたいなもの?

周囲の危うさにも気がつかないような

でももしエイプリル・フールみたいなものだとしても

私は気にしない 二人でならきっと乗り越えられるだろうから

 

怖がることはない

本物の愛にめぐり会ったのだから

 

THE APRIL FOOLS

 

In an April dream

Once you came to me

When you smiled I looked into your eyes

And I knew I'd be loving you

and then you touched my hand

And I learned April dreams can come true

 

Oh are we just April fools

Who can't see all the danger around us

If we're just April fools

I don't care, true love has found us now

 

Little did we know

Where the road would lead

Here we are a million miles away from the past

Travelin' so fast now

There's no turning back

If our sweet April dream doesn't last

 

Oh are we just April fools

Who can't see all the danger around us

If we're just April fools

I don't care, we 'll find the way somehow

 

No need to be afraid

True love has found us now

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追悼高橋幸宏

2023年01月20日 | favorite songs

 追悼の意を込めて、友達に渡すカセットテープの体裁で、好きなユキヒロの曲を並べてみた。

 

A-1 デイ・トリッパー/YMO

 2 murdered by the music/高橋ユキヒロ

 3 ストップ!イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ/同上

 4 24000回のキッス/スーザン

 5 マイ・ラブ/同上

 6 イッツ・オール・トゥー・マッチ/高橋幸宏

 

B-1 my bright tomorrow/高橋幸宏

 2 シャネルの5番のオン・ザ・ロック/シーナ

 3 ベイビー・メイビー/シーナ&ロケット

 4 以心電信/YMO

 5 トゥモロー・ネバー・ノウズ/高橋幸宏

 6 タイムマシンにお願い/サディスティック・ミカ・バンド(2006年バージョン)

 

 

デイ・トリッパー/YMO(1979年)

ギターはシーナ&ロケットの鮎川誠。ちなみにアルバムタイトル曲の「ソリッド・ステート・サバイバー」でもマコちゃんが弾いている。

 

murdered by the music/高橋ユキヒロ(1980年)

セカンド・ソロアルバム「音楽殺人」より、タイトル曲。ギターは鮎川誠。初回プレスはブルーのカラー・レコードだった。

 

ストップ!イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ/高橋ユキヒロ(1980年)

シュープリームスの名曲へ、前年79年に大流行したスカ/レゲエのフレーバーを振りかけた逸品アレンジ。

 

24000回のキッス/スーザン(1980年)

ユキヒロがプロデュースしたスーザンのデビューアルバム「DO YOU BELIEVE IN MAZIK - 魔法を信じるかい?」からのシングル。作詞佐藤奈々子、作曲加藤和彦(トノバン)。スーザンの芸歴は古く、小松の大親分(小松政夫)と「しらけ鳥音頭」をリリースしていて、これが再デビューだった。

 

マイ・ラブ/スーザン(1981年)

セカンドアルバム「The Girl Can’t Hep It - 恋せよおとめ」のラストナンバー。作詞作曲、プロデュース、コーラスも高橋幸宏。

 

イッツ・オール・トゥー・マッチ/高橋幸宏(1981年)

敬愛するビートル・ジョージの曲を気持ちよさそうにカバーしていて、聴いている方も気持ちがいい。

 

my bright tomorrow/高橋幸宏(1983年)

アルバム「薔薇色の明日」より。

 

シャネルの5番のオン・ザ・ロック/シーナ(1982年)

細野晴臣プロデュースのソロアルバム「いつだってビューティフル」より、作詞柴山俊之(サンハウスの菊)、作曲高橋幸宏。レモン・イエローのきれいなカラー・レコードだった。

 

ベイビー・メイビー/シーナ&ロケット(1980年)

細野晴臣・高橋幸宏プロデュースのアルバム「チャンネル・グー」よりシングル・カット曲。作詞シーナ、作曲高橋幸宏。マコちゃん、イカすシャツやね。

 

以心電信/YMO(1983年)

 

トゥモロー・ネバー・ノウズ/高橋幸宏(1988年)

こちらもビートル・ナンバーのカバー。

 

タイムマシンにお願い/サディスティック・ミカ・バンド(2006年バージョン)

トノバンがとにかくカッコよくて。

 

 

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I Wish it Could Be Christmas Everyday

2022年12月16日 | favorite songs

 

 上の映像は、2013年末にクリスマスアルバムをリリースしたニック・ロウがロンドン、チェルシー地区のコンラン・ショップで行なったプロモーション・ライブの一部。

ギター1本でどこへでも行き歌う。老いてもなお、その身の軽さは相変わらずだ。

さすがに声は出なくなってはいるものの、豊かな表現力と明るいエンタティナ―ぶりが観る者を魅了する。

ああ、ニック・ロウ、あなたの頭上にこれからも幸い多からんことを、僕は心より、心より祈る。

 

 

 

こちらは2020年にリリースしたロック・アレンジのクリスマス・シングル。

 

 

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Train in Vain (Stand by Me)

2022年09月23日 | favorite songs

 

 

 

 これまであまり考えたことがなかったのだが、僕が生涯で最も回数を聴いた曲はこの、ザ・クラッシュの「トレイン・イン・ヴェイン(スタンド・バイ・ミー)」だと思う。

ロンドンで結成されたパンク・バンドが、1979年初頭に広大なアメリカツアーを体験して音楽性も服装も大きく変わる。

ツアーの前座にはR&Bの巨人というか変人、ボ・ディドリーを起用した。

ボ(中央)とサムアップしてゴキゲンだ!

 

 変化はサード・アルバム「ロンドン・コーリング」に顕著に表れた。そしてその結果として、「ロンドン・コーリング」はのちに「ローリングストーン」誌で「80年代最高のアルバム」に選出されている。

 「トレイン・イン・ヴェイン」はアルバムのラストナンバーで、クレジットされていないシークレット・トラックでもあった。

発売当時はクレジットがない理由が不明だったが、「ニュー・ミュージカル・エクスプレス」紙のボーナスソノシートに提供する予定が、企画が流れたためアルバムへ急遽収録したものの、ジャケット印刷の締め切りに間に合わなかったためだ、と歌っているミック・ジョーンズ(リード・ギター)が後年インタビューで明かしている。

曲調というかギターリフは60年代のソウル・ナンバー「バット・イッツ・オールライト」(J・J・ジャクソン)あたりが元ネタかな、と思う。

 

 

2013年の素敵なカバー・バージョン。なんだかすごく嬉しかった。

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