このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
プライベートのトラブルで仕事にも支障をきたし始めていた若い職員から悩みを打ち明けられた上司の私は、自分自身、似たような問題を抱えているため適切なアドバイスができず、思い切って二人してNPO法人なごやか理事長へ相談することにした。
自分では解決することができないでいた複数のトラブルを理事長へ話したその職員は、もうそれだけでかなり気が軽くなったのか、すっきりとした顔になっていた。
「家族の問題は一朝一夕にはなくならないけれど、それが気にならないようなところまで持って行くことはできると思う、まずはきみが物事を前向きに考えること、それと、少しでも高くお給料をもらえるよう努力し自分の価値を高めること。この二つに取り組むだけでも、全然違うだろうよ。
それから、彼氏の件は、大切にされなさい、そうでなくちゃ、なんの意味もないでしょ。これは相手へ言ってもいいと思う。」
相談を終え私たちが帰りかけると、理事長はデスクの引き出しから小さな封筒を取り出した。
いただきもののビール券だ、これでお菓子でも買うといい。
封筒を破り、中の金券を手早く二等分すると、そのままむき出しで私たちに差し出した。
私には分かった、ふだんすべてに丁寧な彼がこの場面ではわざと無造作にしてくれているのだと。
すると連れの職員が言った。
「ねえ、高梨管理者、理事長はカレシより私たちを大切にしてくれますよね!」
面食らった表情を浮かべながらも理事長は応えた。
「そうか、じゃあ、ずっとカレシさんより大切にするので、しっかり仕事なさい。」
「えー、嬉しいんですけど、そうすると私、ずっと結婚できないじゃないですか!」
「...。」