このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
「歩く暴力」という表現は、初期のリー・マーヴィンにぴったりだと個人的に思っている。
下の「恐怖の土曜日」(1955年)の冒頭でのチンピラぶりをテレビで初めて観た時は震え上がったものだ。
しかし、リー・マーヴィンを上回る「歩く暴力」、「暴力を体現した俳優」がいる。
アーネスト・ボーグナインだ。
マーヴィンが西の横綱なら、ボーグナインは東の正横綱だ。
下の「地上より永遠に」(1953年)のサディスティックな営倉係のナイフさばき!
他にも「飛べ!フェニックス」や「ポセイドン・アドベンチャー」での、極限時だというのにごちゃごちゃうるさいジャイアンぶりはうっとうしいことこの上ない。
「ウイラード」ではパワハラが過ぎて主人公の飼っているネズミに襲われる始末だ。
この二人はロバート・アルドリッチ監督の「北国の帝王」(1973年)で激突する。
大恐慌後の1930年代のアメリカ。
あふれかえった失業者の中に、列車への無賃乗車を繰り返して旅するホーボー(浮浪者)たちがいた。
そのホーボーを目の敵にし、虫けらのように車上から突き落としてでも無賃乗車を阻止しようという車掌がいた。
前者のエースがリー・マーヴィン、後者がアーネスト・ボーグナインである。
二人の対決(=無賃乗車の成功)は賭けの対象となり、男の意地が激突する―。
たかが無賃乗車になぜ命まで懸けて、と思うだろうが、 すでにアカデミー主演男優賞を受賞していた異形の名優二人を使ってアルドリッチ監督はこの馬鹿げた男の意地の張り合いを、手に汗握る一級の娯楽アクション映画に仕立てている。