大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
十代の頃、城山三郎の経済小説「価格破壊」を繰り返し読んだ。
NHKでドラマ化されたもの(1981年)もリアルタイムで観た。
主人公のモデルはダイエーの中内功会長。
戦後神戸の闇市からダイエーを興して一大チェーンストアに育て上げ、自らも経団連副会長にまでのし上がったものの、拡大路線が行き詰まり、手にしたすべてを失った悲しき大巨人だ。
小説は会社の勃興期、規制に抗い妨害を跳ね除けながら成長の坂道をエネルギッシュに駆け上がって行く主人公の軌跡を非常にシンプルな筆致で描いていて、どこから読み返しても面白い。
その後、中内ダイエーが終焉を迎えようとしていた1998年に出版され、700ページ近いドキュメンタリーとしては異例のベストセラーとなった佐野眞一の「カリスマ—中内功とダイエーの『戦後』」も読んだ。こちらも興味深いエピソードが満載だが、中内に疎まれて会社を去った幹部たちの証言が多く盛り込まれていることから、彼のキャリアを意図的に貶める記述が目立つ(佐野の著書の特徴なのだろうが)。
介護給付費の不正請求で表舞台から強制退場させられたコムスンの折口社長が時代の寵児として華々しくマスコミに取り上げられていた頃、NHKのニュース番組でのインタビューを観ていたら、(応接室か社長室か、)背後の書棚に「カリスマ」が並んでいた。学ぶべき立志伝中のヒーローだったのか、それとも、反面教師か。
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