このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
2020年秋の褒章で、中井貴一が紫綬褒章を受章した。
「無念にも早世した父とともに受けさせていただきたい」
受章が決まっての、いいコメントだった。
父親は37歳の若さで交通事故により死去した、佐田啓二だ。
苦学生だった僕は、とにかくいろいろなアルバイトを経験した。もちろん、日払い専門だ。
その中につくば科学万博のパビリオンの、コンパニオン募集のチラシ配りというバイトもあった。
語学堪能な女性を探すとなると、開催の2年も前から募集が始まるのか、などと感心しながら、ポケットティッシュがくっついたチラシを連日、都内の大学の正門前で配布した。
そんなある日、SK大の前で配っていると、井浦くんじゃないか?と声を掛けられた。
進学のため高校から上京した同級生だった。
懐かしがる相手と少し立ち話をすると、同じクラスに佐田啓二の息子がいるという。
へええ、すごいね、と答え、きみに遊びに来てほしいけれど、ここと違ってC大は八王子の山の中だから、無理だよね、と言い置いて、連絡先も尋ねずにチラシ配りに戻った。
その同級生は、現在、市商工会議所の会頭を務めている。
市の各種審議会で時々顔を合わせるのだが、そのたび、会頭、おつかれさまです、と僕の方から声を掛け頭を下げる。ついでにポケットティッシュも渡しちゃおうかな、なんて考えて、ひとりニヤニヤ笑ってしまうのだ。
右から中井貴恵、佐田啓二、中井貴一、佐田夫人