このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
なめとこデイサービスの玄関を出た私は、コンクリートのステップにNPO法人なごやか理事長が一人座っていることに驚いた。
どうしたのですか?!と尋ねると、ホラ、記念樹の桜が咲いているよ、指し示す。
たしかに、6年前、玄関前の園庭に植えた桜がぽつぽつと花を咲かせていた。
「もう咲かないものかと内心諦めていた。
まるでオリーブ・オイルのようにひょろひょろ枝だけ伸びて。
それにしても、ソメイヨシノを植えたつもりが、これは八重桜だったなあ。」
よかったですね、理事長、今のお気持ちは?
「そうだね、『東風(こち)吹かば 匂いおこせよ八重桜 あるじなしとて 千世に忘れそ』かな。あー、ひどいな、菅原道真公に怒られてしまうね。」
そう言って彼は弱々しく微笑んだ。