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このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

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「ボルサリーノ」

2021年10月22日 | フランス映画

 

 数年前、デパートで手に取った革手袋がボルサリーノ社の製品だったのには驚いた。

ただし、日本製のライセンシー商品だったことから少し迷ったが、結局購入した。

ダーバンのスーツを着ても強くなった気はしないが(そもそも持っていない)、ボルサリーノの手袋をつけるとワクワクする。

フランス映画「ボルサリーノ」(1970年)はチンピラ二人(アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンド)がマルセイユの暗黒街でなり上がり、あこがれの名品イタリア・ボルサリーノ社製の帽子をかぶるまでになるのだが―、というストーリー。

ドロンが自身のプロダクションの企画へ三拝九拝してベルモンドを招き実現させた競演作だ。

ただし、有名な作品の割に、さほど面白くない。

脚本が薄く、特にベルモンドの個性を生かし切れていない。

内容よりも、スター二人の間の緊張感がヘンに伝わってきて、そちらにハラハラする。

かえって、野沢那智(ドロン)と山田康雄(ベルモンド)による往年の吹替版を「ながら見」するくらいがちょうどいいかもしれない。

 

 今は手袋だが、もう少し頭が寒くなってきたら、ボルサリーノの帽子もありかな、とベルモンドの訃報に接して不謹慎なことを想った。

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