だいぶ前から少しずつ読んでいた岩波新書で、田村明著『まちづくりの実践』を読みました。本書は、次のような構成になっています。
すこし前に、「まちづくり」という言葉が流行した時期がありました。ところが、景気が停滞し、田舎では人口減少が顕著になるころには、「まちづくり」よりも少子化や高齢化対策、あるいは人口減少をいかにして食い止めるかといった課題がクローズアップされてきました。例えば1年に1,000人ずつ人口が減少するときには、10年で10,000人が減ってしまうことになります。そんな状態のときには、局所的な「まちづくり」よりも、地域全体の産業振興や若者が定住できる職場の確保のほうが大切だ、というような考え方です。一方で、誘致した企業が撤退し、活力が低下している地域では、特定の企業に依存する地域振興策の脆さを指摘されます。
本書は、こうした大上段に振りかぶった問いに対する処方箋というよりは、現在において可能な取り組みの実践例を集めて検証し、市民的な「まちづくり」の方法を提案する、という立場からのものでした。どうやら、先に理論編があって、本書はその実践編として書かれたもののようです。
序章 市民の「まちづくり」
第1章 「まちづくり」の実践
第2章 地域の価値発見
第3章 価値の創造
第4章 誰が「まち」をつくるのか
第5章 「まちづくり」の構造
第6章 「まちづくり」の実践のヒトとシクミ
第7章 「まちづくり」の実践の力
すこし前に、「まちづくり」という言葉が流行した時期がありました。ところが、景気が停滞し、田舎では人口減少が顕著になるころには、「まちづくり」よりも少子化や高齢化対策、あるいは人口減少をいかにして食い止めるかといった課題がクローズアップされてきました。例えば1年に1,000人ずつ人口が減少するときには、10年で10,000人が減ってしまうことになります。そんな状態のときには、局所的な「まちづくり」よりも、地域全体の産業振興や若者が定住できる職場の確保のほうが大切だ、というような考え方です。一方で、誘致した企業が撤退し、活力が低下している地域では、特定の企業に依存する地域振興策の脆さを指摘されます。
本書は、こうした大上段に振りかぶった問いに対する処方箋というよりは、現在において可能な取り組みの実践例を集めて検証し、市民的な「まちづくり」の方法を提案する、という立場からのものでした。どうやら、先に理論編があって、本書はその実践編として書かれたもののようです。