講談社刊の単行本で、山本一力著『ジョン・マン~望郷編』を読みました。シリーズ第三巻です。
始まりは、土佐の中の浜の場面からです。網元の徳右衛門は、遭難して帰ってこない五人の漁師の無事を祈りながら、万次郎の家にも立ち寄り、母親を励まします。
その頃、万次郎はニューベッドフォードに帰港し、船長から百ドルを越える報酬を受けとります。万次郎は、百ドルを銀行に預金し、ホイットフィールド船長の家に寄宿して、英語を基礎から学ぶために、小学校に通うことになります。大きな成果を持ち帰った捕鯨船ジョン・ハウランド号の航海は、実に1841年から1843年におよぶ長期のものでした。その間に、漂流者・万次郎は、抜群の視力と聡明さと素直でまっすぐな気性を愛されただけでなく、冷たい海に落ちたレイを救助に向かい、鯨を捕るために働く勇敢さを認められ、仲間たちから「ジョン・マン」の名をかち得ています。
和暦によるものと西暦による年号とを冒頭に併記しながらではありますが、時を行きつもどりつして描かれる場面・情景は、少々入り組んでおり、もう少し整理されているほうが読みやすかろうに、と思ってしまう面もありますが、内容的には堂々たる大河小説の趣きです。面白いです。
始まりは、土佐の中の浜の場面からです。網元の徳右衛門は、遭難して帰ってこない五人の漁師の無事を祈りながら、万次郎の家にも立ち寄り、母親を励まします。
その頃、万次郎はニューベッドフォードに帰港し、船長から百ドルを越える報酬を受けとります。万次郎は、百ドルを銀行に預金し、ホイットフィールド船長の家に寄宿して、英語を基礎から学ぶために、小学校に通うことになります。大きな成果を持ち帰った捕鯨船ジョン・ハウランド号の航海は、実に1841年から1843年におよぶ長期のものでした。その間に、漂流者・万次郎は、抜群の視力と聡明さと素直でまっすぐな気性を愛されただけでなく、冷たい海に落ちたレイを救助に向かい、鯨を捕るために働く勇敢さを認められ、仲間たちから「ジョン・マン」の名をかち得ています。
和暦によるものと西暦による年号とを冒頭に併記しながらではありますが、時を行きつもどりつして描かれる場面・情景は、少々入り組んでおり、もう少し整理されているほうが読みやすかろうに、と思ってしまう面もありますが、内容的には堂々たる大河小説の趣きです。面白いです。