電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

佐伯一麦「Nさんの机で~ものをめぐる文学的自叙伝」で「コーヒーメーカー(2)」を読む

2016年07月25日 06時04分53秒 | Weblog
2016年7月13日付けの山形新聞に、佐伯一麦さんの連載エッセイ「Nさんの机で~ものをめぐる文学的自叙伝」の「コーヒーメーカー(2)」が掲載されました。
例によって、若い頃にコーヒーを飲む習慣やレコードを聴く習慣のきっかけになったものを回想しています。こうした回想は、特定のモノへと向かうよりはむしろ、やはり過去の様々な人物の記憶に収斂していくようです。

ワタクシも毎朝コーヒーを楽しんでいますが、たしかに音楽を聴きながらというケースが多いです。ドリップの場合もありますが、たいていは年代物のコーヒーメーカーで、ということが多いです。今のコーヒーメーカーは二台目で、東芝製のようです。二台目と言っても、以前使っていたメリタの製品が壊れた時(*)に、妻が若い頃に使っていたものがあるよと出してきたもので、たぶんメリタ製よりも古いはず。昔の日本製品は丈夫だなあ(^o^;)>poripori



ところで、作家とレコードとコーヒーといえば、ほとんど定番の組み合わせのように思います。池波正太郎氏は、喫茶店でレコードを聴きながらコーヒーを飲む派でしたし、吉田秀和氏は、自宅や友人の下宿で、レコードを聴き、コーヒーを飲む派だったように記憶しています。ハイカラ志向の永井荷風あたりはどうだったのだろう? そもそも、「作家とレコードとコーヒー」という組み合わせは、わが国ではいつ頃から始まり、定着したものだろうか。大正時代? それとも昭和の頃? 以前、読んだ『日本レコード文化史』(*2)にも、そんな記述はなかったような気がするけどなあ(^o^;)>poripori

1902(明治35) 米ビクター、朝顔ホーン型蓄音器
1910(明治43) (株)日蓄(現コロムビア)設立、国産両面盤発売
1920(大正9)  法律第60号公布、レコード著作権
1931(昭和6)  RCAビクター、33回転盤を発売
1933(昭和8)  神戸・上島忠雄商店(現UCC)創業
1937(昭和12) レコード物品税20%、定価1円65銭、戦前のコーヒー輸入のピーク、黄金時代

このあたりだと思いますが、やはり永井荷風あたりが興味深いところでしょうか。

(*1):30年以上も愛用したコーヒーメーカーが故障した~「電網郊外散歩道」2012年3月
(*2):倉田喜弘『日本レコード文化史』を読む~「電網郊外散歩道」2007年12月

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