電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

防除メガネの曇り防止に〜サクランボ収穫後に葉を守る防除が必要

2021年07月03日 06時01分17秒 | 週末農業・定年農業
サクランボの収穫が終わり、果樹園は緑の葉がいっぱいに広がって太陽の恵みを受け取っています。この時期は、樹本来の光合成の時期であると共に、来年の収穫の前提となる花芽形成の時期でもあります。したがって、何よりも大切なのは葉の枚数であり、葉面積の確保です。この時期に対策が必要なのは、

  • 褐色せん孔病
  • カイガラムシ
  • ハダニ

などです。やまがたアグリネット(*1)によれば、褐色せん孔病は次のような症状を示す植物の病気です。

  1. 葉に斑点を生じ、落葉を早めて樹勢を弱める。
  2. はじめは小さい紫褐色の斑点ができ、拡大して褐色の円形病斑になり、病斑の表面にはやがて灰黒色の小点が散生する。病斑は1〜5mmで、健全部とは淡褐色の離層で境され、離脱して穴があくが、多くのものは、せん孔する前に黄変落葉する。
  3. 梅雨あけごろから発生しはじめ、8〜9月に最も被害が多くなる。被害は基部葉から先端葉におよび、落葉も同様で、先端の葉が残る。被害葉は、9〜10月になると黄変し、落葉する。

同じくアグリネットによれば、発生要因は次のようになっています。

  1. 10月ごろに落葉の病斑部に小さな黒点(子のう殻)が作られ越冬し伝染源になる。
  2. 梅雨あけに発生しはじめ、8〜9月に最も発病がはげしくなる。ことに雨が多いと発生しやすい。
  3. 発生は防除管理の悪い園に多く、とくに放任園では8〜9月にかけて激発し、落葉する。

本来ならば盛んに光合成を行うはずの真夏の盛りに、葉が黄色くなり茶色になって落ちてしまう。これでは、翌年以降に満足な収穫は期待できません。落葉後の落ち葉を集めて燃やすことが感染対策上は有効でしょうが、まずは発生させないことが大事です。

同様に、カイガラムシも枝を衰弱させ、ハダニも葉を弱らせて落葉させてしまいます。亡父が亡くなった年は、一年間まったく防除ができなかったために、他の園地が青々と緑の葉が繁る中、我が家の園地だけが落葉してみすぼらしい状態になってしまっていました。暑いからといって防除作業をサボるわけにはいきません。



でも、夏場の果樹園の防除作業は、暑さが様々な問題の根本にあります。完全防備の防除服に長靴スタイルの内側はとにかくムレますし、汗ダラダラです。体は後でお風呂場でシャワーを浴びるから我慢するとしても、問題は防除メガネの曇りです。これまでは、途中で散布を中止してメガネを外し、乾いた布やティッシュなどで拭き取り、作業を再開して汗をかくとまた作業を中止し…という具合で、能率が悪いことおびただしいものでした。コロナ禍の中のマスク生活で、ふと思いつきました。メガネの曇り防止法が役に立つのではないか?

そういえば、某地元スーパーのレジ付近でこの冬に試し購入してきた「耐久メガネの曇り止めジェル」というのがあります。あらかじめこれを塗っておいたら、防除メガネの曇りもだいぶマシになるのではなかろうか?

昨日早朝、4時半から7時半まで、この防除作業を実施しました。今回は、オキシラン、ダイアジノン、カネマイトの三種。できるだけ涼しい時間帯でも汗ダラダラにはなりますので、手ぬぐいではちまきをして汗がメガネに落ちるのを防ぎ、防除メガネの曇りはほぼ回避できるようです。やったね! 朝のシャワーが、格別にすっきり感がありました!

(*1):おうとう:褐色せん孔病〜やまがたアグリネット

(※今日は、COVID-19 ワクチン接種の2回め。新型コロナウィルス対策のmRNAワクチンに対し自分の体がどのような免疫反応を示すか、興味津々といったところです。)

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