電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

川中島白桃の収穫と出荷開始~色と味の関係

2024年08月20日 06時00分48秒 | 週末農業・定年農業
いよいよ川中島白桃の収穫と出荷が始まりました。例年は8月24~25日頃から収穫を始めていたのですが、今年は5~6日は早いです。特に、住宅地の中で気温がやや高い自宅裏の果樹園は生育が早く、少し離れたもう一つの園地の方は気温が低めのため生育が遅いという傾向があり、まず自宅裏の桃を収穫し、終わったらもう一つの園地に移動するというやり方をとっています。写真はそのもう一つの園地の方ですが、光がよく当たる東側で、しかも反射シートの効果もあって赤く色づき、着色が良好です。



では、味は糖度が高く美味しくなっているかというと、実は必ずしもそうとは限らないのです。味を決める要素の一つは糖度であり、これは光合成量によります。多くの葉の光合成が一つの実に集中するほど実は大きくなり、味は甘くなります。まだ緑色というのは論外ですが、ある程度色づいたものであれば、一般に大型の実は甘く、小玉はそれほどでもないというのが現実でしょう。



この写真は、おそらく12玉か13玉くらいの大玉ですが、このあたりだとまずは美味しくなってきています。



しかしながら、見た目は赤いのに小玉の桃はまだまだほんとの甘さになっていません。反射シートで人工的に紫外線等を反射させ、赤い色素の生合成を促しているだけで、まだまだ光合成量は中途半端です。22玉くらいの小玉の桃は、おそらく価格もこなれてくる8月下旬~末頃になると味が乗ってくるのではないかと思います。

そんなわけで、まずは大玉の桃から収穫を始めて順次出荷していき、最盛期には主力の15玉や16玉といったものを収穫し、しだいに20玉や22玉などの小玉へと移行していきます。このあたりの作戦は、できるだけ美味しい桃を出荷しつつ価格も維持したいという、桃農家としての経験によるものでしょうか。


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