志情(しなさき)の海へ

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棲みかの網を壊された女郎蜘蛛さんたちは、昼間は黒木とブーゲンビリアに同じ姿勢でじっとしていた。

2021-07-04 08:40:54 | 動植物
黒木には糸に絡まれた蝉がぶら下がっていて、それに近付いて上から忍び寄る姿があった。彼女は目の前の蝉を前に凝固して生きた絵画のようだった。一方でもう一匹の蜘蛛はブーゲンビリアの小枝にしがみついて、日中じっとそのままの状態だった。



夕方まで同じ状態だった。

それが夜明け前の4時半に気になって見に行くと、何と又網の角度を変えて、綺麗な巣、幾何学模様の網が編まれていた。ほとんどその作業を終えそうな雰囲気だった。もう一匹の網は気がつかなかった。しかし、朝7時によく見てみると、彼女も又黒木と黄色い葉のクロトンノの空間にぶら下がっていた。





前より網の規模は幾分小さいが、糸の材料は十分お腹の中にあったのだ。日が落ちて10時間以内に彼女たちは棲みかを完成し、食の捕獲の体勢に入った事が分かる。

アゲハチョウが飛んできたが蜘蛛の網を避けその上を飛び、隣の家に飛んで行ったかと思うと又苦瓜が繁っている菜園に境界から飛んできた。うまく蜘蛛の網を察知してほしい。蝶によっては罠に掛かっているのもいる。

女郎蜘蛛さんを退治しない限り、彼女たちの棲みかの網の糸は罠となって中空にあり続ける。

それがいつ終息するのか、又しばらく様子を見ることにした。燐家との境界にいた三匹目の蜘蛛は視界から消えたが、どこで姿を出すのか、小さなミステリー。燐家に網を張り巡らしているのかもしれない。

今はミツバチや蝶が蜘蛛の罠に掛からないことを念じよう。

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