≪老猫が一匹砂利の上でぬくもっている?!)
一匹の老猫が丘の上で佇んでいる。身動きせず土になじんでいる。足の辺りの毛の色が他の色と異なる。動かない猫を被写体にしばしの春の声に耳を澄ますと目白が盛んに囀っている。自然の中で春の愛が微笑んでいる。いいね、自然の優しさは、いつでもいい。勿論残酷さも醜さも包みこんで時は流れている。ただこのひと時通り過ぎる至福は確かなものなのだ。
さびしくはないの?と問いたい猫は昼寝を楽しんでいるのかもしれなかった。猫の生態をよく知ってないのだ。はじめてこの丘に登ってみた。
猫が見える。丘のさらに上から目白か軽やかに囀っている。自然の中に囀る目白は校舎を崖に見立てて巣にするイソヒヨドリとはことなるようだ。目白は目白の住処があり、彼らは棲み分けをしているのだね。久しぶりに高らかな目白の囀りに一瞬足をとめて聞きほれた。
5月になると黄色い花が一杯咲きほころぶアカシアの樹(相思樹)の幹が勢いよく小さな森の主人公のようだ!
そしてソテツが萌える春! 今年もまたソテツの新芽に出合えた。あっという間に葉は生い茂るように宙に奮い立つよになる。
シ
シロツメクサ=クロバーがほんのりピンク色に咲いている。露が宝石のように光っている!
キャンパスの一角、枯れ木にツツジの赤い花 生け花のような雰囲気 慄然と宙を見据えるソテツの君 春の晴れやかな命のリズムがみなぎっている。