志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

送って下さった村瀬信也先生のご本『国際法と向き合う』は小説のように興味深く、時に苦笑いしながら確かに生きる力が得られます!

2022-10-05 11:12:55 | 書評
偶然、メールを通して国際的な法学者の村瀬先生が、沖縄の歴史的人物「牧志朝忠」についてすでに小説を書かれていることを知りました。その小説の中のジュリ(遊女、尾類)として登場するチルの縁で、博論で『「辻遊郭に見る近代沖縄芸能史研究」ー遊郭、ジュリ、芸能』をまとめたわたくしにご連絡があったということです。しかし、45ページほどの博論の要約を読まれて〈もちろんかなりの文献を読まれています〉、外交としての文化の中にジュリの存在もきちんと織り込んで、小説とは別に、牧志朝忠について書籍を日本語と英語でまとめられたいというパッションに驚きました。

実証的なご研究をさらに続けられたいという熱情は凄いです。小説『幻影の嘉例吉ー牧志朝忠とチル』の本もご一緒に送って来られていて、今から読んで具体的な感想をお話する必要があります。


博論をコンパクトにまとめて書籍化する予定で、その後介護やコロナパンデミックなど、またオンラインの授業の中で、手をつけていなかった課題を来年はしっかり出版できるよう、真摯に取り組む必要があります。要旨を読まれただけで、丁寧な応答を送ってこられた著名な研究者に対しても、申し訳ない気持ちです。

国際法や法律とは疎い日常ですが、実は私達の生活、この社会、国、世界の仕組みが法律によってシステムとして成り立っているのは紛れもない事実です。この書籍を読むと、村瀬信也さんの人生、専門的な研究者の顔と大学や国連、国際的法体系や研究、また最近の中国の動向も網羅されていて、とても興味深いです。国際司法裁判所(ICJ)や万国国際法学会(IDI)、国連の国際法委員会の様子、「気候変動の法的側面」、「感染症と国際法」など、まさに現在直面している世界的事象と国際法の関係なども取り上げられています。

率直にご本人と関わってこられた先生方や東大全共闘時代の空気も含め、自伝的物語になっています。ミステリー小説を書かれるセンスが生かされた専門書でもあるのですね。

確かに生きる勇気を与える書です。法律の専門家ではなくても、普通の大人や大学生の教養として、生きる知恵を得ることは間違いないです。

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