≪サマンサさんの発表≫
普段からいろいろ話を伺っているサマンサさんのプリゼンテーションはとても良かった。
ウチナーグチにフェミニズムやジェンダー論がどう生かされるのか、今後の課題に見えた。
戦前まで空手をたしなむ女性は殆ど皆無だったのではなかろうか?空手用語は60ほど
語彙としてはあるが、それが語りとなるか、質問があった。語彙としては残るだろうが、
との発言は興味深かった。言葉とジェンダーの問題は興味をもっている。ウチナー口
復興、再生もいい。琉球諸語の復活、再生はおおいに推進すべきである。しかし母語
が日本語になって久しい。廃藩置県から136年である。50年では十分教育によって共通語
として日本語は定着したのだ。沖縄語・琉球語は英語、日本語の次にランク付けされている。
それも中央沖縄語としての首里・那覇言葉が主流で、おそらく空手語も古武道が首里を中心と
しているので、首里那覇語がメインだと思う。
沖縄の伝統芸能を見ると、首里がカノンになっている。首里が規範を作り、それが地方に伝播
する形態が取られている。芸能も祭祀(信仰体系)もピラミッドとしての首里王府が支配層として
君臨している国家体制である。その伝統芸能は外交手段として重宝された。空手も武士の身心
鍛錬の素養として重視されたとみていい。空手の歴史研究書を買ったのだが、まだじっくり
読んでいなかった。以前英語に訳された長嶺さんの本はアメリカにもあり、レポートを書く時
参照した。
空手が沖縄文化の柱の一つとして世界に発信され続けているのはいいね。世界の道場の数も
かなりのものだと、お聞きしたがー。女性空手家も増えている。琉球音楽、琉球舞踊、空手は
沖縄文化の基軸になっている。そこから組踊や沖縄芝居(史劇や歌劇)がまた総合芸術として
花開いている。根にあるのは琉球独特の信仰であり祭祀芸能だと云えようか。