この宮城茂雄さんの「諸屯」の手の動きを見るとやはり柔らかく、指がピタッとしていないですね。指の間隔に余情が感じられます。この間、ずっとそうした舞踊の形態だったのでしょうか。ちょっとすこし追いかけてみなければです。人間国宝宮城能鳳さんの「花風」の動画もありますが、以前の硬いイメージの女踊りに、柔らかさが感じられます。雑踊りと近い型が女踊りにもあるのですよね。なるほどです。ただ花風はたしかに現代の女踊りの原型に見えます。一人踊りです。
王府時代から近代の女踊りは、明らかに士族層の男性の思いを、男性の身体で、女性の思いとして踊っている両性具有性を持っています。
宮城さんはまさに男の身体が男の思いを女の仮象で踊っている風情ですね。両性具有の踊りです。
女性舞踊家が思い込みの深さで踊る雰囲気とは少し異なります。女性舞踊家は誤解しているのですが、王府時代の士族層の美らジュリへの恋情が歌詞です。つまり男たちの恋情の歌詞がいかにも女性(ジュリ)の恋情として踊りになっていると思い込んだのが女踊りですね。宜保栄治郎さんの『琉球舞踊入門』の解説とは異なった見解です。
戦前の「諸屯」の写真を見ると所作が現在と幾分異なります。やはりゴツゴツして見えます。曲線美と角張った美の違いのような~。
男性舞踊家が『花風』を踊る時は逆に女性の思いを、男性の身体で表象することになりますから、それも両性具有の踊りになっていますね。
男の思いを女性の身体の仮象によって表現する。男性舞踊家の「諸屯」
男の思いを女性が女性の思いとして身体表現する。女性舞踊家の「諸屯」
女の思いを男性の身体が女性を仮象して表現する。男性舞踊家の「花風」
女の思いを女性が身体表現する。女性舞踊家の「花風」
若衆踊りは中性的ですね。男性・女性の舞踊家が踊って遜色ないです。
男性舞踊・二才踊りは、女性が踊ると両性具有性の独特な美が浮き出るのでしょうか。比嘉いずみさんのように~。男性舞踊家の男性舞踊は筋骨隆々ですね。マッチョの魅力です。
琉球舞踊「諸屯」(しゅどぅん)syudon なら国際映画祭 for Youth 2021