志情(しなさき)の海へ

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〈執心鐘入〉春秋座:京都造形芸術大学での公演チラシです!なかなかいい劇場です!

2014-06-16 01:14:11 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他

率直に言うと、狂言の実演家で研究者のニューヨーク出身のJさんと京都の街中で少し立ち話したが、「クリーン」のことばがその通りだと、初めての舞台を前の方の席でご覧になっていたが、なるほど、と思った。般若面についてもその見せ方に批評のことばが出て来たのには、驚いた。鐘が吊り上ってそこから般若の面の鬼女が貌を出すとひと時拍手が起こった。あまりないことだから、反応の違いが興味深かった。斜めから見ていた目には、鐘からの演技は以前より型が綺麗な見せ方になっていると感じたのだが、鐘のあがり際に着物が一部見えたりしているのは演出なのか、どうか、佐辺良和さんの宿の女は声音がいい。伸びやかに唱えている。その点、美少年だが、西門悠雅さんの若松の唱えは味わいがない。声に艶がないと、耳で惚れるということがない。座主の眞境名正憲先生は身体が大きく迫力のある方だが、地声がもっと大きければ(力がこもっていれば)と思った。

字幕が丁寧に舞台の両脇についているので、中身にはコミットしやすい。御一緒にみたRさんは、観劇されている皆さん、意識的でいろいろよくわかっている雰囲気の層ですね、とのことだった。玉三郎さんが組踊の主役を演じるとあって、俄然、組踊だけではなく、沖縄の芸能全般への関心は膨らんでいると見えるが、まだまだだね。年配が多いし、若者が少ない。意識的な方々であったに違いない。一回公演はもったいない。地謡は西江喜春先生が直に歌三線を担っていたので、安心して耳を澄ませていた。いいね。小僧たちのやりとりも面白かった。化粧の度合いについての演出が実はあまりなされていないのかもしれない。真っ白がいいわけではない。神谷武史さんと玉城 匠さんのメイクに比べて大湾三瑠さんは白かった。小僧三人の顔もメイク、その白塗りも肌色への近さが好ましいのでは、というのが私見だ。

雑踊「鳩間節」は独特の手の所作・踊りで楽しませた。イチュビグワーを髣髴させる。静と動に興趣があった。んんん、同じ節でも手が違う!宮城能凰先生の「花風」はすでにアンマー格の辻の女性の踊に思えた。落ち付いた物腰が情熱の激しさを内に仕舞い込んださまが、また独特の味わいかと思えた。

宮廷芸能、しかし北殿の前の仮設舞台で上演された組踊であり、琉球舞踊だった。確かに士族層が演じ、踊っていた。春秋座の拍手は大きかった。温かい一体感である。カナーヨー天川は良かったが、ペアーの着物の色合い、対称のさせ方が必要かと思っていた。ピンクに赤は同系の色合いで、薄い緑色の着物を身に着けた神谷さんとの色のバランスが幾分気になっていた。足遣いなど、は良かったね。

「執心鐘入」の小僧三のあの剽軽な最後の場面を残しているのはいいね!(備忘録)


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