今年初めてご依頼のあった学校の卒業式の撮影後に酷いフリッカーに愕然。
大昔だったら必ず気を使っていたフリッカー問題でしたがうっかりしていました。
校舎は奇麗なのですが、体育館はかなり古い建物で体育館内の照明は旧式の緑色の強い水銀灯が使われていました。
これまで撮影していた学校では10年程前に体育館を建て替えて新しいタイプの水銀灯で、カメラ側もフリッカー対策されているので全く意識せずともほぼフリッカーレスで撮れていて、その様な事態は脳裏から全く消えていました。
フリッカーとは関東以北の交流が50Hzでビデオカメラの基本周波数が60Hzのために蛍光灯や水銀灯の様に点滅照明の時にビデオ画面が明暗のチカチカが生じる現象です。
今のビデオカメラはフリッカー防止機能がありますが緑色の強い昔の点滅の強い水銀灯で、しかも舞台のバックに水色のカーテンが全面にあって水銀灯の明かりを強く反射する環境下には対応しきれない様です。
本来の対処は、ビデオカメラ側のシャッタースピードを50Hzにマニュアル設定する事で防げる話です。
しかし、後でその事に気が付いてもどうにもなりません。
(カメラのモニターではフリッカーは気が付きませんでした)
8台のカメラで撮りましたが、体育館全体は問題ないのですが舞台が写り込んでいる5台の映像は全て舞台部分だけフリッカーが出ていましたので、舞台上の水銀灯に問題が有るのだとは思います。
しかし、卒業証書授与の場面で舞台裏の青いカーテンが派手にチカチカ点滅して顔も多少なりともチカチカして見苦しい限りです。
どうにかしたいです。
調べていくと、有料の2.5万円以上もするPremiere用のプラグインソフトが売られている様です。
でも、これはちょっと高すぎです。
更に調べていくと・・・・
Premiere内の機能である程度フリッカーを押さえる事が出来ると云った記事を発見。
早速試すと・・・・
その方の書かれたとおりの値で実験すると確かにフリッカーはかなり気にならなくなりました。
しかし、動きのある場面では残像が残って今度はそちらがフリッカー以上に不自然で使えません。
どうやら、前後の数コマを重複させて明暗を平均化させてチカチカを低減するようです。
なので、動きがあると残像の様に見えてしまいます。
一旦は諦めたのですが、他に手が無かったので値を様々変えて何十回も実験をした結果、良い状態にすることができました。
Premiereタイムラインの動画をクリックしてエフェクトの項目から「時間」「エコー」を適用します。
適用した「エコー」機能をエフェクトコントロール画面でそこの値を以下の様に設定します。
この状態で僅かにフリッカーは残るものの全く気にならないレベルまで消え、しかも動きのある場面での残像も生じなくなりました。
「エコー時間」の「0.001」にはマイナスを付けて「ー0.001」にしないとダメです。
数値だけでなく、「エコー演算子」の「後ろに合成」の設定も重要です。
本当に良かったです。
この解決にも一日を費やしました。
この様な地道な対応でのノウハウ蓄積が良い作品作りに繋がって行きます。