なつかシネマ パッチギ! love&peace
2007年の作品です
なつかしいって程も無いか・・今なぜこの作品か?
まず
11月14日の日経のコラム「春秋」
長いけど転載しますね
フランスのクリスティアーヌ・トビラ法相(61)は南米にある海外県、仏領ギアナ生まれの黒人女性である。
10月下旬に仏西部の都市アンジェを訪れたとき、事件は起きた。
集まった子どもたちが「猿」や「バナナ」をたとえに出して大臣を大声でからかったのである。
▼映像に、大臣の名に続けて「お猿さん、バナナを食べろ!」と叫ぶ姿が残る。
「猿」は白人が人種差別に使う常套句(じょうとうく)だ。
ふざけて口にしていい語ではない。事件のあと、「罵られるのは初めてではないが、
一番驚いたのは、フランス社会が壊れていくことに対するまっとうな警告が聞こえなかったことだ」
と大臣は言った。
▼そういえば、日本でも「ポリティカリー・コレクト(PC)」という言葉を一時ほど聞かない。
訳せば「政治的に正しい」だが、女性、人種などに関するあらゆる差別的な表現をなくそうという運動といった方がいい。
それ自体にケチのつけようはなくても、一方では「教条的なPCには飽き飽き」という空気も生まれた。
▼子どもが黒人を「猿」と呼び、それをあえて誰もとがめない。
その風潮をルモンド紙は「義憤はもはや老いぼれのきまぐれとしかみなされず、
かくして卑劣が子どもの遊びになる」と書いた。恐ろしいことである。
風潮を支配するのが「PCうんざり」の空気だとしたら。
同じ空気に身を置くかぎり無縁ではすまされない。
先日最近封切の「42」について書きましたが
それは1940年代の話
子供が親の真似をして「ニガー帰れ!」と叫ぶすがたが
ダブりますね。
人間は成長しないのか?
最近新聞紙上で取りざたされている「ヘイトスピーチ」など
「差別」について考える機会が多いのだ
それをふまえて
この映画を思い出したのです
あらすじ
時代は1974年
アンソン(在日韓国人)は子供の病気という悩みを抱えている
ある日宿敵の応援団と駅中で大乱闘
そのときに助けてくれた佐藤はそのトラブルにより
国鉄をやめる羽目に、アンソンはそんな佐藤と行動を
共にする。
妹のキョンジャはそんな兄の姿を見つつ、自分の夢と
甥っ子の治療費のため芸能界へ身を投じる
キョンジャは芸能界のなかで出自を隠すことに
疑問を感じながら、苦労し自分の意思を貫き地位を築く。
紆余曲折を経て大作映画のヒロインを獲得したキョンジャ。
兄のアンソンはそんなキョンジャの姿に不安を禁じえない
明るく装う、佐藤の出自も親にすてられたという悲しい過去を持つ
アンソンは子供の治療費を稼ぐため佐藤と共に裏の仕事に
手を染めるが・・・
アンソン、キョンジャ、佐藤の人生が交錯し
感動のクライマックスを迎える
佐藤役の藤井隆がいい味を出してます
自分を捨てた母親を憎みつつその実・・・
キョンジャ役の中村ゆり・・
芸能界の中で自分をしっかり見つめ
朝鮮人であることのプライドを捨てずに
旧弊にたち向かう姿には感動します
やはり
アンソン役井坂俊哉の子供を思う姿
これには一番感動しました
エンドロールで流れる歌・・
「あのすばらしい愛をもう一度」
には涙を禁じえません
しかし、冒頭の「差別」の話にもどりますが
この映画のウィキを読んでいただければ
複雑な気持ちにさせられます。
この作品を素直に評論できない時代なんですね・・
なんだかねえ
さて皆さんは
これを見て感動するのか?
半日映画と思うのか?
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