毎日、馬鹿なことばかり書いていて
自分でも馬鹿だなあって思っているんですけど
たまには、いい話を書こうかなって
こないだ、朝日新聞の1面に載ってた記事です
そのまま転載バカボンなのだ
青い海を背景にしたプールで悠々と泳ぐバンドウイルカのフジ。
推定44歳。飼育員泣かせの頑固者だけど、これまで3頭のイルカを産んだ肝っ玉母さんだ。
2002年秋、フジは病気で尾びれの75%を失った。
命は助かったが、フジは自由に泳げなくなり、ただ浮かぶだけになった。
「イルカの皮膚はゴムに似ている」とひらめいた獣医師の植田啓一さん(44)は
東京のタイヤメーカー「ブリヂストン」に人工尾びれづくりをお願いした。
「『あの子(フジ)を助けたい』という植田さんの熱意にぐらっときた」と振り返るのは、
当時ブリヂストンの化工品技術本部長だった加藤信吾さん(61)。
ブリヂストンの技術者が集まり、03年にプロジェクトが始まった。
野生のイルカを題材に作品をつくる大阪府の彫刻家の薬師寺一彦さん(45)も加わり、
04年には世界初のイルカの人工尾びれができた。
上下運動を圧迫しないよう、残った25%の尾びれに引っかけて装着した。
フジは泳ぎを取り戻し、メタボだった体形も元に戻ってきた。
以前は積極的でなかったジャンプに挑戦し始め、尾びれが壊れるようになった。
尾びれの構造をさらに調べて06年、オリンピックの自転車競技用に開発した新素材と天然ゴムを使った尾びれが完成した。
今も元気に泳ぐフジは、人々の心に何かを残している。
神戸市内の児童養護施設で暮らす児童たちは、4年前から地元の商店街の招待で毎年沖縄に行って、
フジを訪ねている。
事前に映像や本などで学び、実際に対面した子どもたちは「フジみたいに自分も頑張る」
という感想を寄せている。
獣医師の植田さんは、「10年間フジを研究して多くの発見があった」と話す。
たとえばイルカの尾びれの「しなり」は想像以上の役割を果たしていた。
イルカは1回のジャンプで約1トンの水を動かすといわれる。
尾びれのしなりは、その負荷にうまく耐える強度と柔らかさを備えた構造だと分かった。
さらに尾びれの形によって遊泳速度が変化することや、
人工尾びれがイルカのリハビリにとって有効だと検証された。
これまでフジのために8種38本の人工尾びれがつくられ、
培われた技術は傷ついたイルカを救ってきた。
07年に石川県の「のとじま水族館」のイルカのために人工尾びれが作られ、
現在は米国の水族館にいる尾びれをなくしたイルカのための研究が進んでいる。
現在も、装着しやすく長時間つけても負担がないものを目指して、
人工尾びれの研究は続けられている。
植田さんは、「今後のイルカの飼育と治療に役立つためにも、フジには元気で頑張ってほしい」と話す。
ですと。
動物って言葉を出せないので
人工尾びれをつけても
痛いのか痛くないのかわかりませんよね
はじめは、つけるのを嫌がってたそうです
痛かったのでしょうか?
しかし根気強くなんとか試行錯誤をかさねて、
彼女が痛くないように
それでいて泳ぎやジャンプに耐えれる強度をもった尾びれを作り出したんですね
それを作るのは、並大抵の努力じゃないですね
1企業がお金にならないのにそんな努力を続けてくれたんですね
すごい話です。
日本の技術屋の本領発揮ですね。
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