死刑にいたる病、櫛木理宇による長編サスペンス小説
あらすじから
稀代の連続殺人鬼である榛村大和から手紙を受け取った大学生の筧井雅也。
そこには「罪は認める。しかし最後の1件だけは冤罪だ。
最後の1件を誰が行ったかを調べてほしい」と認められていた。
中学生の頃、近所でパン屋を営んでいた榛村に恩を感じていた雅也は手紙の内容を理
解して、
独自の調査を始めることになる。
思ってたのとちょっと違いました。
13階段のように冤罪を晴らすような内容を想像してました。
ネタバレごめんであらすじを追記すると
中学のころまで、優秀な成績であった筧雅也
高校に入ると、勉強についていけずFランクの大学に
父親の過大な期待を裏切る形になり、心を病んでいる。
そんな雅也に届いた1通の手紙
それは、雅也が中学時代通っていたパン屋の主人、榛村大和からでした
榛村は、少年少女を監禁しいたぶり殺害するという、シリアルキラー
9人の少年少女を嬲り殺した罪で起訴され
1審で死刑の判決を受けたが、9人目の被害者である成人女性への殺害は
自分の仕業でないと控訴中。
なぜか、過去にパン屋の客であった雅也に送られてきた手紙の内容は
9件目の殺害の真犯人を探してほしいという依頼でした。
なぜか?なぜ自分なのか?
雅也は、拘置所の榛原に会いに行くのでした。
榛原は一見優男で残酷な事件を起こすような人間には見えませんでした
雅也は、榛原の言葉に操られるように、9人目の被害者の真犯人を探すことになりま
す。
榛原の顧問弁護士から事件の詳細なデーターをもらい
事務所の助手の名刺を使い、榛原の過去をたどります
関係者の証言をたどるうち、榛原の壮絶な過去があきらかになってきます
そして、意外な人物が浮かび上がり榛原と雅也の関係が浮かび上がってきます
とまあこんな感じ
まあ幼少期からひどい虐待を受けた、榛原がその恨みを晴らすかのように
少年少女をいたぶり殺していく
たまたま最後の被害者がうまく逃げたため、事件が発覚し
榛原は捕まるのですが、もし最後の被害者が逃げなかったら
榛原は人を殺し続けていたんでしょうね
恐ろしい話
そしてもう一人重要な登場人物がいます
雅也の中学の同級生の加納灯里です
灯里は、中学時代優秀だった雅也に憧れていました
大学で偶然再会したとき、病んでいた雅也をなにかと気にかけるようになります
雅也に恋心を抱いているようでした
雅也はそんな灯里の気持ちを無視し、真犯人を探す作業にのめりこんでいきます
そして事件は、意外な結末を迎えるのですが
エピローグではもう一つどんでん返しが待ってます
これは秀逸でしたね
一介の大学生が、1人で協力者もいないなか
真犯人を見つけることができるのか?
疑問を持ちながら読み続けることになりますが
犯人探しがメインではないことに気づくと同時に
ラストの展開へつき進みます。
なかなか読ませましたね
これ余談ですが
映画化されてますが、榛原役が阿部サダオですからね
みませんでした。
名前に阿部貞とつける神経が嫌いで、この俳優嫌いです
できるだけ見ないようにしてますが
たまに見ると上手いですね
こういうサイコキラー役に向いてます。