訃報
坂口良子さん死去・・・57歳ですか・・
若いのに・・まだこれからなのに・・
残念です・・
坂口良子さんといえば、思い出されるのが
1980年に放映された、「池中玄太80キロ」っていうドラマ。
主人公・玄太のキャラの濃さと、血のつながりを超えた“親子愛”に感動したのを覚えています。
ストーリー
西田敏行が演じる池中玄太は大京通信社の写真部に所属するカメラマン。
35歳で体重が80キロ。タイトルの“80キロ”って体重のこと。
玄太は報道写真のほかに鳥も撮影します。どちらかというと、鳥の方が得意という感じでしょうか。
まったく女性にモテない玄太が、ある日、ひとりの女性に一目惚(ぼ)れしてしまいます。
名前は“鶴子”(丘みつ子)。野鳥、特にタンチョウヅルが好きな玄太にとって、
まさに運命の出会いでした。
玄太は積極的にアプローチして、プロポーズにまで突き進むのですが、
鶴子は少し躊躇(ちゅうちょ)していました。
自分には子供がいるという理由で。しかも3人も。
すべて女子。
玄太は驚きながらもすべてを受け入れ、見事ゴールイン。
鶴子(丘みつ子)は上品で着物も似合う和美人。
玄太が話す鳥の話にうれしそうに耳を傾ける優しい女性です。
3人の娘の名前は絵理(杉田かおる)、未来(みく)(有馬加奈子)、弥子(安孫子里香)。
中学3年の絵理は母親の手伝いもするしっかり者です。
小学5年の未来はちょっと元気過ぎるエピソードも出てきますが基本的にはマイペースな子。
小学1年の弥子は好奇心旺盛、いつも笑顔の明るい子です。
弥子ちゃんの可愛さいといえば・・
本当に可愛かったぞ。
最初は戸惑いもあって玄太と距離を置いていた3人ですが、
結婚してわずか11日目に、鶴子が脳出血で亡くなったのです。
いろいろあった末に、玄太は3人の娘と暮らすことを決意。
ここから血のつながりのない娘たちとの山あり谷ありの生活が始まりました。
ここで玄太のまわりの個性的な人物を紹介します。
まずは大京通信社写真部の部長・楠英政(長門裕之)。
玄太の上司で、いつも玄太と怒鳴(どな)り合いのケンカをしていますが、
本当は優しい人なんですね。部下の責任は自分が取るという男気も感じます。
カメラマンの前川秀也(三浦洋一)は玄太の同僚。
楠同様、玄太とはいつも怒鳴り合っているけれど、玄太の才能(特に鳥の撮影)は認めている
良きライバルです。面と向かって褒めることはしませんが。
鳴山暁子(坂口良子)は負けん気の強い女性記者。
男中心の会社の中で一歩も引かない性格ですが、玄太に対する態度には優しい一面が感じられます。
ほかにも半人前のカメラマンなので“半ペラ”と呼ばれている杉野透(井上純一)や
喫茶店の店員・秋田チエ(藤谷美和子)が物語に絡んできます。
父親と娘の絆
長女・絵理の恋人騒動の回。
通学のバスの中で知り合った高校1年生の男子と本の貸し借りをしていただけなんですが、
相手の高校に怒鳴り込んだりして、父娘の間に溝が…。
失敗を失敗のまま放っておかないのが玄太のいいところ。
翌日、その男の子をバス停で待ち伏せて、土下座までして詫(わ)びを入れました。
絵理は男の子とは別れてしまったのですが、バス停での一部始終を見ていた絵理の言葉に、
私はウルッときました。
「なんて人なの、お父さんって。やっと、お母さんの気持ちがわかってきた。今度はもっと素敵な人を探すわ。お父さんみたいな」・・・・
最終回、“仕事か家族か”という最大の難問にぶつかります。
同僚の前川がタイ・カンボジア国境地帯の難民キャンプ取材を命じられました。
でも、ケガをしてしまい、断念。代わりに行きたいと思う玄太ですが、
娘たちのことを考えると数か月間も家を空けることはできない。
究極の選択で、玄太は家庭を取ることに…。
でも、いろんな困難を乗り越えて“家族”になれたと確信した絵理は、
玄太に行ってもらいたくて、楠に直談判します。
「お母さんが生きてたら、行かせてたと思うの。どんなことをしても」と。
中学生だけど、気持ちはしっかりとした大人ですね。
玄太の留守中、暁子が娘たちの面倒をみることになった時も、
玄太と絵理はこんな会話をしていました。
「私、あの人、好き」
「お父さんも」
「ねぇ、いつかもらうんでしょう、新しいお嫁さん。死んだお母さんより素敵な人だったら嫌だな」
玄太に対して秘(ひそ)かに好意を抱いている暁子。
その気持ちを女性として察している絵理の優しさが、この会話から感じられます。
「お父さん、うれしかった。外国に行けることよりも、絵理たちのお父さんになれたことが」
放送から33年。子育て、いじめ、仕事と家庭の両立など、さまざまな問題を扱っていますが、
今でもリアルに響いてくるものばかり。
不器用だけど真っ正面から向かっていく玄太の姿勢を、
娘や息子を持つお父さんたちにもう一度見てもらいたいですね。
いまは、こんなドラマ無いですよね・・
こんな直球のドラマが見たいです。
坂口良子さん・・
いい女優だったのに・・残念です