こないだAliexで注文してた、広角の単眼鏡、届いた。
ホントは、双眼鏡(ワイドビノ)が欲しかったんだけど、
当然ながらお値段2倍くらいになるので、ぐっと我慢して
単眼鏡で済ませた。25ドルくらい。
ちゃんとしたキャリングケースが付いてる。そして、本体
は金属製のけっこうちゃんとしたやつ。
中身もけっこうちゃんとしてる。きれい。
接眼部は、ピント機構になっているので、ぐるぐると
回すとピントが合わせられるんだけど、なにげに
けっこう広い範囲にピンと調整できる。1m先とかにも
ピントが合わせられる。
ただし、ハイアイポイントじゃないので、メガネしてる
ひとだと、メガネを外さないと周囲が蹴られると思う。
対物レンズは、2倍という低倍率なのに40㎜もある。
これがワイドのために必要なものだったりする。
安物の8倍双眼鏡とか探してみるとわかると思うんだ
けど、8倍の倍率があるのに、安いものだと21㎜とか
しかない。単純計算では、口径の直径が半分なら、
光量は1/4で、さらに倍率が2倍と8倍では4倍違うので、
16倍くらいの性能差になってくるはず。
まぁ、その全部が像の明るさに効いてくるわけでは
なくて、瞳径(射出瞳径)に効いてくる部分。
夜空など暗いところで使ったときに、人の目の瞳は
光を多く取り込もうとして広がるだけど、そもそも
単眼鏡が目に送り出す光の束が細いと、目が瞳を
いくら大きく開いても、入ってくる光の量は多く
ならない。
目の瞳の径が最大に広がった時に、その瞳径の分だけ
光が届いてくれないと駄目なわけ。
で、こういう口径の大きい単眼鏡・双眼鏡では、
瞳径が大きいので、夜空を眺めても明るく見える
わけ。
安物の双眼鏡で夜空を見上げても、例えば
オリオン大星雲を眺めたりしても、なんだか暗い
夜空にしか見えないはず。
正確なデータは書かれて無かったんだけど、素人目
に見て、瞳径は1cmを軽く超えている。
ひとみ径(射出瞳径/しゃしゅつひとみけい) - 双眼鏡の日の出光学
双眼鏡から眼を少しずつ離していくと、ある程度のところで、接眼レンズの中に、下の写真ような円が見えてきます。この円の直径をひとみ径と呼んでいます。ひとみ径は双眼鏡...
双眼鏡の日の出光学
対物レンズ有効径÷倍率なので、単純計算では
40÷2で20㎜。
暗闇で、人の瞳孔は7㎜まで開くらしいので、それを
大きく上回っていれば、十分に明るいレンズといえる。
しかも、単眼鏡と目の位置関係が少しくらいずれても、
あまり問題なく見続けられる。
というわけで、スペック的にはかなりよさげなものでは
ないかな、と思って注文してみたもの。
さて、実際に眺めてみる。
まず、明るさ。
空模様がいまいちなので、外に持ち出して星空を眺める
ってわけにいかなかったので、とりあえず、夜に電気を
消した暗い部屋の中で眺めてみた感じについて。
明るい。まぁ、明るいといっても、こういう光学系では
元の明るさ以上に明るく見える光学系(単眼鏡なり望遠鏡
なりで)を作るということは理論上不可能なので、裸眼で
見た明るさと同じか、それより暗いかという比較になる
んだけど、当然のように、元の見た目の明るさのままで、
倍率だけが上がっている、という見た目になった。よきよき。
次、アイレリーフ。
アイレリーフは、簡単に言えば、接眼レンズから覗き込んだ
ときに、(角度的に)どのくらい見やすいかっていうお話。
もう少し細かく言うと、接眼レンズと目の眼球をどのくらい
近づければ見やすいのかっていう距離。
これが近すぎると当然見づらくて、視野の周囲が蹴られて
見えなくなったりするもの。
裸眼の人でも、接眼レンズに、文字通り「接眼」しないと
まともに見えない接眼レンズなんていうひどいものもあるし、
メガネを掛けている人の場合はなおさら、目と接眼レンズの
間にメガネが入り込むので、アイレリーフは1cmよりも
おおきなものが必要になったりする。
天体望遠鏡の接眼レンズでは、ペンタックスのXWシリーズ
みたいにハイアイポイント(ハイアイ)を売りにしてる
ような、高倍率でもアイレリーフが長いものがあるんだけど、
一般的には、高倍率(単焦点)な接眼レンズはアイレリーフ
は短い。
天体望遠鏡入門講座 第三章 3-1 | スタパオーナー八ヶ岳日記
で、この単眼鏡はどうかっていうと、アイレリーフは
それほど長くはない感じ。1cmちょっとかなぁ?
なので、メガネをしたままだと、周囲が少し蹴られる
くらいかもしれない。倍率が低い割には、アイレリーフ
はあまり長くないって感じがあるかな。でも、多分メガネ
してても、使えなくはなさそう。
んで、大事な解像。
一般に、カメラレンズでは、画角全体で平均的に解像する
ように設計されていて、望遠鏡レンズでは、中心付近では
強く解像しつつ、周辺の解像は二の次っていう設計がされて
いたりする。
この単眼鏡の場合はどうなの?っていうと、いわゆる望遠鏡
みたいに、中心付近の解像が高く、周囲は低めになっている
ように見える。
まぁ、それはそれでいいんじゃないかな、っていう感じが
する。全体的に、めちゃめちゃ解像度が高いレンズって
感じでもないんだけど、値段相応にそこそこよく見えるし、
大きさ・重さ的にも悪くない。
なにより、暗いところでよく見えるスコープは、星空観測に
必須だし、それがこんなにお手軽価格なのは、なかなかに
お買い得な気がする。
なんにしても、このお手軽単眼鏡を持ち出して、お空の
お星さまをじっくり眺めたいところなんだけど、残念ながら
しばらくの間は、空模様がよろしくない予報になっているん
だよな。これから1週間くらい。
ちゃんとお星さま眺めて評価できるのは、1週間先になりそう
だなぁ。
ちなみに、これの姉妹品で、口径50㎜の3倍単眼鏡っていう
のもあった。
そっちも気になってたんだけど、2倍と3倍の差っていうと、
3÷2=1.5倍になるわけ。
で、同じくらいのスペックにするには、直径で1.5倍…
面積ではその2乗、つまり、2.25倍=約2倍以上が必要と
なる。なので、50㎜だと、ちょっとスペックダウンする
感じになるはずなんだよな…と。
なので、今回は口径40㎜、倍率2倍のを選んでみたっていう
次第。まぁ、2倍は思った以上に低倍率なので、3倍くらい
あった方が、実用上は便利なのかもしれないけど、
暗闇でレンズ覗くときに、アイレリーフ短いスコープだと
結構骨が折れるんだよなっていう実感があるので、
やっぱ倍率とアイポイントを秤にかけると、アイポイント
の方が大事に思えてしまうんだよな。
ちなみに、オイラはペンタックス党の光学オタクの端くれ
だったりしつつ、光学モノについては大艦巨砲主義なので、
結果的には、値段としてそんなに悪くなかったんじゃないの
かなぁ?って思っているところ。
(まぁ、双眼鏡というか、ワイドビノが欲しかったな)
なお、オイラが持っている双眼鏡(VIXSEN製):以前
奮発して買ったやつなんだけど、あれのスペックが、
倍率8倍、対物レンズ径42㎜だったと思うので、対物
レンズ径ではこれと同じくらい、かつ、倍率が大きく
跳ね上がってるので、今回のこれは、基本的なスペック
としては、これを大きく上回っているはず。
でもまぁ、あの8倍の双眼鏡は、あれはあれで、すごい
見やすいし、オリオン大星雲なんかもけっこうちゃんと
見えるので、かなりお気に入りだったりする。
スペック的には今回買った単眼鏡の方がよさそうでは
あるので、(見える天体の大きさはともかく)星の像
としては、今回買ったやつの方が明るく、かつ見やすい
はずなんだよな。
とにかく、早いところきれいな星空を見せておくれ、
って思っているところ。
そうそう。JAXAのH3ロケット2号機。
今回はようやく打ち上げ成功。よかったねぇ!