コロンブスがアメリカを発見してから、カリブ海と中南米において、何が起こったかをドミニコ会の修道士バルトローメ・デ・ラス・カサスが記録していた。
「この40年間に、島々と大陸において、一切の法を無視したキリスト教徒の事業のおかげで、子供と大人を合わせて、1200万人以上の人々が不当で残虐な方法で殺されたのだ」
問題の一行、NHKの歴史講座がスルーした箇所である。
大変な記録ではあるまいか、「1200万人」、ちょっと信じられない数である。
ところが、彼は、
「いや、その数は、1500万人を下らなかったと言っても間違いではないだろう」 ― 『インディアンスの破壊についての簡潔な報告』 ―
そして、その詳細な事実を列挙している、ヨーロッパの知性が見事に、この人類的な事件を分析していた。
気候が温暖で自然の産物に恵まれたカリブ海の島々には驚くほど多くの人々が生活していた。
ところが、スペイン人が入植を開始してから、数十年間でnative・原住民が激減したというのだ。