松本清張の「砂の器」にはライ病と戸籍についての問題があった、主人公はライ病の父親がおり、当時、ライ病の患者を持つ家は村八分にあった。
それで、父と子は、日本全国を放浪することになる、たまたま泊まった所が出雲の亀嵩の神社、作家はどこで、このヒントを得たのであろうか。
かつてライの病者は、家族・親類から見捨てられ、わずかの路銀を持たされて放逐された、彼らは四国八十八箇所の巡礼を続け、赤々と空を染める夕日に向かって、死後の世界の幸福を祈る、そして、そこで死ねば道端に埋められた。
これが、つい最近までの日本の原風景であった、歴史に一行の記載もなく、消えていった人々のなんと多いことか、松本清張という作家は、そこにスポットライトを当てた。
病者
のであろう