The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

青い瞳の日本人 9

2016-01-28 06:00:43 | 世界経済
     
 枕元に老婆がいる、その後ろで子供たちが遊んでいる。

 貧しい農家の娘の嫁入り、だが、気に入られないと実家に帰された、そうなるともう嫁に行くことはできなかった -足入れ婚ー 。
 長い人生を一人で過ごし、やがて、さびしく死んでいった、こうした女性が東北の昔話しの語り手、これを書こうかどうしようか、ちょっとソフト過ぎるかな。

 ずいぶん迷って、それでもなんとかまとめ、掲載された雑誌が届く、おばあさんが枕元に坐っていたのは、その晩だ、私のものがたりは、
 「長い冬の夜 
  冷たい冬の夜
  足が氷の棒になってしまいました
  それでも 
  それでも    
  おばあさんは 若かったころを思い出しました
  なんとか 
  なんとか
  思い出したのです
 
  少女のおばあさんは    
  竹のような若者に恋をしました
  さわやかな若者に恋をしました 
  むねが高鳴り 
  ドクドクと血が流れ
  なんてうれしかったことか
  なんてたのしかったことか

  おばあさんは ちょっとほほえみました
  そして もう うごきませんでした
  二度と二度と うごきませんでした    」 

 これでいいのか、これでいいのか、また非難されるか、
 「もっと ハードに書かなけりゃあーね」 
 宗門のエリートは、
 「仏教 やりたかったらなあー 
  学部から入ってこなけりゃあ ダメなんだよー」
 「おめえなんか メザワリなんだ」
 「・・・」
 「おジャマムシなんだよー」

 これでいい、これでいいんだ、いや、これがいい、論文でなくてもいい、いのちの通わぬ学者の世界でなくてもいい、わたしは、これを書いておきたいんだ。

 おばあさん、イヤな感じはしなかった、何度も何度もアタマを下げる、その後ろで間引きされた子供たちが楽しそうに遊んでいる、やがて、闇の中に消えていった、
 「夢だったのか」

 いや、夢によって、ひとことお礼を言いにやってきたのだ、
 「うれしかったんだ」
 「うれしかったんだ」

 青い瞳の日本人の背後には、もうひとつの、言うに言えないかなしみの、この国の歴史が隠されている。

An another world of Touhoku
I found the old woman sat beside me and the children were playing back to her .
I wrote the life of the woman of Touhoku , she was the daughter of the poor farmer .
She failed the marriage and had to live alone .   
                      
On the cold night of winter , she coudn't sleep , and she remembered the day when she was a girl .
Then , she loved a fine boy ,
" How happy I was ! "
" I was young and full of pleasure ."

I hesitated to write or not , my fellow said ,
" It is not the thesis ."
But I wrote it , the magazine reached to my home and I read it , the old woman bowed many times with a little smiling .

It was only dream , but I thought ,
" She wanted to say thanks to me through the dream ."