23日の17時に、日本穀物検定協会から「28年産 米の食味ランキング」が発表された。
このごろの産地や品種は、この食味ランキングで「特A」を獲ることにこだわり続けていた。
「特A」が獲れれば「ブランド米」の仲間入り。
連続して「特A」が獲れれば、「日本を代表するブランド米」というイメージが、いつの間にか広まっていたからだ。
そのために、わざわざ「特A」を獲るための栽培方法を検討していたりもしていた。
「特A」を獲ったからと言って、その県で栽培している同じ品種が、全て「特A」のポテンシャルという事ではない。
それが事実だという事は、「米のランキング」の「産地別表」を見れば判ることだろう。
あくまでも「米の食味ランキング」は、今も昔も、産地品種のポテンシャルを教えてくれているだけのもの。
もともと商売で使用するものではない。
ランキングを発表している日本穀物検定協会も、数年前から、このランキングのあり方について悩んでいた。
そして昨年から、発表はするものの、マスメディアに対しての報道を、ほとんどしなくなった。
よって、今月23日の発表でも、マスメディアに対しての報道を、ほとんどしなかったのだろう。
報道したのは、「特A」にこだわっている産地のローカル局が大半であった。
これは、産地としては大誤算となっているだろう。
「他人のふんどしで相撲をとる」ことが出来なくなってしまったのだから。
「米の食味ランキング」の報道が無くなったことで、産地は大幅にブランド戦略の変更をしなければならない。
「ブランド米」というのは、1から自分たちで考えて作り上げていくもの。
イメージではなく。
話題性ではなく。
消費地が必要としている物を、産地としてシッカリと作り。
消費者1人1人から認めてもらいながら、丁寧に作っていくものである。