緑の回廊を 上がって行くと
ガラスの扉が 開け放たれ
そこは 澄み渡った 青天井の
360度 遮るもの一つない 天空の間
真っ直ぐに 降り注ぐ 陽の光と
気儘に 吹き過ぎていく 風
足がすくんで
ただ ただ ボーっと 見惚れていた
「 いらっしゃいませ 雲をお探しですか? 」
突然 にこやかで優雅な物腰の店員(天員?)が 現れた
「 は はい・・・ 」
「 どのような雲が お好みでしょう?
今の季節 多くの方に人気がありますのは 綿雲ですが・・・
刷毛で刷いたような すじ雲も さわやかで これからの季節には良いかと 」
「 ここでしか手に入らない 雲ってあります? 」 と 私が訊くと
店員は ゆらゆらと湧き出した雲を 取り出した
「 それでしたら この雲は如何でしょう
太平洋と 日本海が出逢う 津軽海峡でしか生まれない雲です
エッセンスとして 大マグロの 心の音も 配合されていますのよ 」
そう言いながら 津軽海峡雲を そっと私の肩に羽織らせる
う~ん・・・ なかなか いい感じ~!
「 まあ 何てお似合いなの! 」
と言う 店員(天員?) の 褒め言葉にのせられ
買ってしまいましたよ~
津軽海峡雲のチュニック 綿雲の帽子 すじ雲のストール
ここ 何処?
えっ・・ 函館山