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写楽・・話楽・・・な日々

ふきのとう(蕗の薹)の昔話

2016-02-06 22:34:36 | 小さなおはなし


今年初めて フキノトウを摘みました 

山形県には こんなフキノトウのおはなしが伝わります  


深い森の中に きれいな水の湧く泉があり  この泉の水を飲むと どんな病も治るという言い伝えがありました 

でも その泉のそばで 好きな人と会ったり 語ったりすると 祟りがあるというとも言われていました 

この森の近くに ふきという 親孝行な娘がいて 病気の父親の看病をしていました 

父親の病はよくならず ふきは 話に聞いた泉の水を飲ませようと 心に決めました 

真っ暗な森の中を 捜し歩き とうとう 大きな木の根元からこんこんと湧き出す泉を見つけたのです 

ふきは 山の神に手を合わせ 水を汲もうとしました 

すると 泉の水のおもてに 若い男の姿が映ったのです 

それは 泉の主でした 

ふきは 一目で その男を好きになってしまいました 

二人は 泉のほとりで語り合い 結ばれました 

すると その途端 今まで静かだった森の中が ざわざわと風が立ち 雨が降り 大荒れになりました 

やがて 吹雪になり 二人は一面の雪に埋まってしまいました  

父親の病は 不思議に良くなりました 

帰らぬふきを探しに 父親が森に入ると 泉のほとりに見覚えのある手桶があり 

その傍に ふっくらとしたフキノトウが二つ咲いていました 


という おはなしです  

 

コメント (6)
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