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軽便鉄道の停車場のちかくに、猫の第六事務所がありました
ここは主に、猫の歴史と地理をしらべるところでした
こんな風に始まる 宮沢賢治の童話「猫の事務所」
そのモデルになったといわれるのは 当時の「稗貫(ひえぬき)郡役所」
現在は 大迫(おおはさま)町に移築され 資料館となっています(画像 ↑ )
さて この「猫の事務所」には 事務長の大きな黒猫と
第一書記の白猫 第二書記の虎猫 第三書記の三毛猫 第四書記のかま猫がいました
かま猫は 夏の土用に生まれたので とても寒がり
夜はかまどの中に入り眠るので いつも体は煤だらけで真っ黒です
事務長の黒猫以外は みな かま猫を嫌って いじめていました
でも かま猫は 「事務長さんは親切だし かま猫の仲間は みな かま猫が事務所で働いているのを誇りにしているのだから 辞めないぞ」と思っていました
ある時 かま猫は風邪をひき 事務所を一日休みました
その間に 書記の猫たちは かま猫が事務長の座を狙っていると 黒猫に信じ込ませてしまいました
翌日 事務所に出勤したかま猫には 仕事はありません
かま猫は もう悲しくて悲しくて じっとこらえて俯いていました
昼になっても 持ってきた弁当も食べず かま猫は膝に手を置いたまま俯いていました
とうとう かま猫は しくしく泣きだしました
そして 夕方になるまで ずっと泣いていたのです
それでも みんなは そんなこと一向に知らないというように面白そうに仕事をしていました
誰も気づかなかったのですが これを 獅子がみていました
獅子は いきなり 戸口を叩くと中に入ってきました
猫どもの驚きようといったら・・・
かま猫だけは 泣くのをやめて まっすぐに立ちました
獅子は言いました
「お前たちは何をしているんだ! 地理も歴史もあったものではない やめてしまえ!」
こうして 事務所は廃止になりました
「ぼくは半分獅子に同感です」
という言葉で締めくくられます
いつの時代も いじめはあるのですね
でも だから 事務所をなくせば良いというのは 本末転倒!
政治もスポーツも社会も…
勘違いの正義で膨らんだ権力に忖度、寄らば大樹、長いモノには~の欲がくっ付いて
昔から形こそ違っても“イジメ”は繰り返されてるんですね
唯一頼りになる事務所長は考えが浅く短絡的なのが欠点
全てが100年前に書かれた物語でありながら
今の時代の人間にあてはまりますよね
もし自分が同じような話を聞いたら~~
賢治と同じことを言うかも「ぼくははんぶん獅子に同感です」って。
情けない。
すごいです。