「信じる力が人を動かす 経営者・星野佳路の仕事」
星野リゾート社長…星野 佳路
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/060221/index.htmlより
要約転載
「残った社員が財産」
星野氏が新たに経営に乗り出すとき辞めるものも当然いる。
だからこそ、残った社員は財産。
客と直接向き合う「現場」に出来うる限り権限を委譲し、
「任せる」ことで、肩を落としていた社員のモチベーションをかきたてる。
「社長は偉くない」
星野氏の会社の組織は社員を10人程度のユニットに分け、
ユニット毎に立候補制で投票の結果を重視して選ばれるディレクターを置く。
通常の会社では役員会にあたる重要な経営方針決定の会議も公開され、
社員同士の議論で、大事な案件が決められていく。星野氏は議論のプロセスを見て、
社員が決定したことには口をはさまない。
星野氏は繰り返し語る。「主人公はあなたたち、社員です」
「任せれば、人は楽しみ、動き出す」
現場のモチベーションを大事にする星野氏の経営術は、
30代で味わったドン底体験から生まれた。
父の後を継いで、社長となり学んだアメリカ流の経営手法を持ち込むが、
社員の三分の一が辞めてしまう事態に陥る。
そんな中、ブライダルの責任者にひとりの若手を指名する。
数ヶ月後、彼が目にしたのは、仕事を任された彼らが、
自分で考え、自分で決め、生き生きと働いている姿だった。
「コンセプトに正解はない」
星野氏は再建にあたるとき、徹底したマーケティングリサーチを行い、
再生のための「コンセプト」を立てる。
どういう人たちをメインターゲットにし、どんなリゾートを目指すのかを
明確に示す。このコンセプト作りに正解はないと星野氏。
大事なのは現場で実際に接客をする社員たちが、
「共感」できるコンセプトを作り上げることが、リゾート再建の鍵
コンセプトが決定すると、具体的にどんなことをするかを、
現場の社員達が考え、実行に移す。
プロフェッショナルとは・・・
常に完璧を目指そうとしている。
完璧になるなんてことはおそらく生涯ありえないけれど、
そこを淡々と目指している。 星野佳路