ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第13次支援活動<気仙沼・石巻>(その16)~復興屋台村 気仙沼横丁

2013-06-03 11:26:39 | 能楽の心と癒しプロジェクト
出船を遠く送り出して、さてさて、急いで屋台村に戻りまして、出演の準備。毎度プロジェクトの上演チラシにはなにかとアイデアを出す笛のTさんですが、今回は出色の出来でしたね。

いわく「ランチのあとはお能をどうぞ」。

はは。なるほど~。会場が仮設商店街であり、開演時刻が昼食後の時間帯にあたる午後1時だからからか。でも、このキャッチフレーズは ぬえの心に深く響きました。近来、いろいろな事情がありますが、ぬえらプロジェクトの思いとは別に仮設住宅での活動がめっきり減っている事実。そんな中で仮設商店街での公演が商店街の振興のための上演という意味を事実上負っていること。このメッセージはそんな ぬえの思いを払拭して、仮設商店街での活動の意義を本質的に表した言葉だったと思います。



楽屋ではTさんが、いまさっきこの前で ひょっとこ踊りをやっていたよ~と。ぬえらプロジェクトのほかにもなにやらイベントがあった模様。こちらも開演時刻が迫っていたので急いで装束を着けて、やがて上演となりました。

仮設商店街では商店の振興が主な活動目的です。そこで、今回はじめて上演前に各商店さんを廻ってご挨拶をしてみました。お客さまには「ランチのあとはお能をどうぞ~」「あ、お食事済んでからで結構ですよ」なんて言って廻るのです。商店街を歩いているお客さまには「お買い物なさってくださいね~」とお声がけをして。これが意外に好評でして、以後仮設商店街での上演の際の定番の作業になりました。どうしても ぬえたちは2人だけで活動している事も多いので、上演にももうひとつインパクトを持たせたいな、とは思っていましたので、これは面白いアイデアだったと思います。





さてステージで『羽衣』を上演しました。仮設商店街ではほとんどイベント・ステージが設けられていますね。ボランティア団体さんなどが、さすがに数は少なくなってきている、とは聞いていますが、それでも たびたびイベントなどを催すのでステージが必須になったのでしょう。思えば仮設商店街が設置された最初の頃は、あまりステージやスペースのある商店街は少なかったように思います。ぬえも何度か駐車場を会場に舞っていました。時が進むにつれてだんだんと上演の条件が良くなってきたような。



終演後はこれまた恒例になったお客さまとの撮影会。なんだかエラそうですけれども、これも意外に好評なのです。装束を間近に見る機会がなかなかないので、喜ばれるのかも。

こちらは岐阜から見えた学生さん



こちらはお店の方です。「負げねぇぞ気仙沼」Tシャツも凛々しい。



お客さまのお子さんには、ちょっと怖がられました。。



かくして屋台村さんでの公演を終えて、次の公演地である階上地区の地福寺さんに向かいました。