ぬえの能楽通信blog

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活動報告書(03/07~12)

2013-06-14 22:07:13 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒しプロジェクト
第13次被災地支援活動(2013年03月07日~12日)


 〔活動報告書〕

【趣旨と活動の概要】

 東日本大震災被災地支援を目指す在京能楽師有志「能楽の心と癒しプロジェクト」の4名(※注1)は、能楽の持つ邪気退散、寿福招来の精神を被災地に伝えるべく、2011年6月よりすでに12度に渡り岩手県釜石市、宮城県石巻市、気仙沼市、南三陸町、女川町、東松島市、仙台市、大崎市、および福島県双葉町の住民が避難している旧埼玉県立騎西高校避難所にて能楽を上演することによって被災者を支援する活動を行って参りましたが、このたびメンバーの八田、寺井は、去る03月07日から12日までの5日間に渡り宮城県・気仙沼市および石巻市の計5カ所にて能楽の上演を行いました(※注2)。

今回の活動はJIN'S PROJECTさまとの共催という形をとっております。これにより同団体のご厚意により「THE BODY SHOP」さまとの仲介を頂き、活動資金の一部について補助頂くことができました。これまですべて募金に頼ってきたプロジェクトの活動は経済的には苦難の連続でしたが、今回は初めて企業さまのご支援を頂いての活動となります。さらに今回は東京での能楽公演の宣伝に併せてプロジェクトの活動を宣伝する機会に恵まれ、過去最大の募金を頂戴することができました。これにより「星と能楽の夕べ」公演の共演者の方々の交通費をプロジェクトから支出することができたのは大変喜ばしいことです。関係各位に深謝申し上げます。

今回特筆すべき活動は、言うまでもなく震災2年目の3月11日を中心として行われた追悼集会への出演です。プロジェクトとしましては3月10日に気仙沼市階上地区の地福寺さまのご厚意により「明日に向って」と題された集会のうち追悼法要にて、また3月11日には昨年と同様、チーム神戸が事務局を勤め、元避難所の石巻市立湊小学校で行われた「石巻3.11市民追悼の会」にてそれぞれ能楽を奉納させて頂きました。またプロジェクトとしては2回目になる「星と能楽の夕べ」公演を気仙沼市で開催することができました。このほか気仙沼市の「復興屋台村 気仙沼横丁」および石巻市の「立町復興ふれあい商店街」の2箇所の仮設商店街で商業振興のお手伝いとしての公演を持つことができました。

今回の活動の最初の公演である「星と能楽の夕べ」公演は、プロジェクトの目標のひとつである「文化の復興」の理念に基づいて、昨年6月に石巻栄光教会で行った同催しの気仙沼市での再演を試みたものです。今回は現地協力者の方々の尽力により、同市にあるすばらしい会場。。リアス・アーク美術館を拝借することができ、また石巻での公演と同じくピアニストの御子柴聖子さん、および「星と能楽の融和実行委員会」の小林わかばさんの出演を得ることができ、ロマンチックで大変素晴らしい成果を挙げたと自負しております。同美術館では京都の富永成風画伯の作品展が開かれており、その主催者である実行委員会のお計らいにより「星と能楽の夕べ」は同作品展の協賛公演とさせて頂けることとなりました。また特筆すべきは宮城県登米市出身者や東京在住で気仙沼の支援活動をされている4名の方々が応募によってボランティア上演スタッフとしてお手伝いくださり、驚くべき手際の良さによって公演の進行を円滑に進めてくださったことで、公演の成功はこれらスタッフさんの力量に負うところが大きいと思います。そのほか公演の冒頭で「祈りの言葉」および震災の犠牲者への黙祷を行って頂いた地福寺の片山秀光さま、会場拝借の交渉から宣伝活動、また公演では司会を務めてくださった高橋和江さま、作品展実行委員会の熊谷光良さま、プロジェクトの活動に多大な便宜を図ってくださったリアス・アーク美術館のみなさま、活動記録を撮影してくださったボランティアのカメラマン。これらの方々のご協力なしに公演の成功は望めませんでした。改めまして関係各位に深謝申し上げます。

気仙沼の仮設商店街「復興屋台村 気仙沼横丁」さんは、今回飛び込みで電話をして出演のお願いを致しましたが、ご快諾を頂くことができました。ところが本年1月に上演の予定であったところ、大雪のために交通が麻痺して公演は中止となり、今回は満を持しての上演となりました。もとより気仙沼大島へ渡るフェリー乗り場のそばという立地もあってお客さまは盛況な商店街で、上演時刻が昼であったため、公演には「ランチのあとはお能をどうぞ」と副題をつけ、上演前には各商店を廻ってご挨拶をしたり、終演後はお客さまと記念撮影をしたり、と楽しい趣向で臨み、お客さまにも大変喜んで頂くことができました。
気仙沼・階上地区の地福寺さまはみずからも被災されながら震災直後より地元の精神的支柱となって復興のためのイベントなどを広く行っておられます。プロジェクトは昨年2月にこちらで活動をさせて頂きましたが、ご住職の片山秀光さんとは深く意見を交わして大変強く印象を受けました。ご住職の弟さんがプロのジャズ・ドラマーのバイソン片山氏ということもあって震災2年目の節目に「明日に向って」と題された追悼コンサートを催され、これへの能楽の出演のお願いをしておりましたが、コンサートのあと追悼の法要の場での上演を勧められる厚遇を頂きました。法要は各地のお寺より多数のお坊さまが参列され、厳かな雰囲気の中で能楽『羽衣』を上演させて頂きましたことは望外の幸です。

片山ご住職とは、ぜひ一度公演での共演をしたく考えていましたが、今回はリアス・アーク美術館での「星と能楽の夕べ」公演と、地福寺さまの「明日に向って」で、2回の共演を果たすことができ、その成果を含め大変満足しております。

また「明日に向って」の模様は翌日の「河北新報」紙に『羽衣』の上演のカラー写真入りで報道されました。

震災2年目の3月11日には石巻市の市立湊小学校(元避難所)の体育館を会場に、昨年と同様に「石巻3.11市民追悼の会」が行われ、能楽の奉納をさせて頂きました。住民さんが実行委員となり、ボラ団体「チーム神戸」が事務局を勤める体制で挙行され、山形県の曹洞宗のお坊さまの炊き出しと法要、避難所時代に活動していたカメラマンの展示などが行われたほか、今年は南浜町の「がんばろう!石巻」の大看板や渡波の住民ボラ団体「チームわたほい」とも連携し、それぞれの場所で石巻の小学生が描いた絵が展示されました。午前11時から14時までの長い集会は、周辺の住民さんが避難所の同窓会のように旧交を温め合う機会として配慮されたもので、能はその会場の中心で2度奉納させて頂きました。

今回の活動の最後の公演地となる「石巻立町復興ふれあい商店街」はこれまで何度も上演を重ねた会場で、各商店さんともすでに顔なじみ。お買い物もしましたが、かえっておみやげを頂くなど歓待を頂きました。プロジェクトでは被災地では常に神が祝福する能を上演するように心がけていますが、この日ある店主さんから「みなさんがいらっしゃってから、神様に守られているような気がするようになりました」とお褒めのお言葉を頂くことができたのは大変ありがたいことでありました。

なおこの日の上演ではNHKテレビの取材があり、同日夕方のニュース番組「てれまさむね」で放映されました。

また、今回も静岡県伊豆の国市の「子ども創作能」の参加児童のご家庭より支援物資(遊具)の提供を頂き、気仙沼市の地福寺さまにお預かり頂くことができました。これは再開予定の階上地区の保育所にて活用頂ける予定です。重ねてのご支援に感謝申し上げます。

※注1 プロジェクトメンバーは八田達弥(シテ方・観世流)、寺井宏明(笛方・森田流)、大蔵千太郎(狂言方・大蔵流)、小梶直人(同)の4名。ただし都合により今回は八田・寺井の2名での活動となった。
※注2 今回の上演場所は①気仙沼市・リアス・アーク美術館②気仙沼市・復興屋台村 気仙沼横丁③気仙沼市・地福寺④石巻市・湊小学校⑤石巻市・立町復興ふれあい商店街の5箇所。

【活動記録】
 3月7日(木)
八田達弥のみ午後東京を出発。石巻に駐在するボラ団体「チーム神戸」事務所に投宿、3月11日開催の「石巻3.11市民追悼の会」の準備を手伝う。

 3月8日(金)
朝、石巻を出発して気仙沼へ。階上地区の地福寺さんにご挨拶し、翌日の「星と能楽の夕べ」公演のタイムスケジュール表をお渡しするとともに、静岡県伊豆の国市の「子ども創作能」出演児童の保護者さまよりお預かりした支援物資をお届けする。

午後、リアス・アーク美術館に到着、関係者にご挨拶し、また寺井宏明およびボランティア参加くださったスタッフも集合して、ミーティングのあと会場の設営を開始。この日は出演者が揃わないが、機材のスイッチングなど簡単にリハーサルを行う。問題点も発見され寺井氏と打ち合わせ。気仙沼市内の簡易ホテルに宿泊。
 3月9日(土)
早朝、「星と能楽の融和実行委員会」の小林わかばさん、夜行バスにて気仙沼到着。被災地区など視察ののち宿舎にてしばし休息頂く。この間に「星と能楽の夕べ」出演者・スタッフ用の進行表を書き直し。

午前10時会場のリアス・アーク美術館到着。ピアニストの御子柴聖子さんやスタッフさんも全員顔を揃える。再度ミーティングののち本格的なリハーサル開始。技術スタッフさんの有能に公演成功の手応えを強く感じる。昼食ののち、早めに装束を着けて美術館の展望室にて写真撮影。

午後3時より「星と能楽の夕べ」公演1回目。司会:高橋和江さま、ご挨拶:熊谷光良さま(富永成風氏作品展実行委員会)、「祈りの言葉」片山秀光ご住職(地福寺)。能『羽衣』を上演。95名のお客さまにご来場頂き、大変ロマンチックで素晴らしい公演となった。午後4時より第2回目公演。前評判がよいとのことで急遽2回公演としたが、その宣伝をする機会がなくこちらの入場者は25名。しかし1回公演では入場できないお客さまが出たはずで、結果として良い判断だったと思う。

終演後御子柴さんと小林さんはすぐに帰京。会場を撤収ののちスタッフさんと「復興屋台村 気仙沼横丁」(翌日の公演会場)で打ち上げ。素晴らしい共演者とスタッフに恵まれての成功に幸せを感じる。気仙沼市内のビジネスホテルに宿泊。

 3月10日(日)
朝10時、復興屋台村 気仙沼横丁に到着。関係者ご挨拶ののち上演準備。11時より「コの字岸壁」にて行われた「出船送り」に参加。すぐに仮設商店街に戻って着付け。

13時より「能楽の心と癒やしをあなたに」公演。ランチタイムであるので副題「ランチのあとはお能をどうぞ」をつけ、また上演前に各商店を巡回して宣伝。能『羽衣』を上演。30名ほどのお客さま。終了後お客さまと記念撮影。昨日スタッフを勤めてくださった阿部さん夫婦もご来場頂いた。

15時、岩井崎を視察ののち階上の地福寺さまへ到着。追悼コンサート「明日に向って」はすでに開催中。会場の内外は出演者とお客さまでごった返す。やがて片山ご住職さまと会い、能楽師は別室の控室をご用意頂くことができた。控室にて寺井氏関係の「海をつくる会」によるこの地域の海底清掃の打ち合わせなどあり。またこの日出演された庄野真代さんが仮設住宅などを廻って活動しておられることを聞き、楽屋でご挨拶。

18時、コンサートの後に行われた法要の場で能『羽衣』を上演。犠牲者の位牌に拝をする型を入れる。同じく法要の場に出演となった韓国舞踊の金順子(キム・スンジャ)さんと楽屋でしばし懇談。この日、コンサートは本堂、法要は境内で行われるはずで、ボランティア多数によって竹灯籠やキャンドルが準備されたが、あいにくの強風のため法要も本堂で行われた。参列者はこの日1日で500名とのこと。法要は大変厳かで深く印象に残るものだった。

法要終了後、参列者やコンサートの出演者も一堂に会食の用意があったが、この日のうちに石巻に行かねばならなかったため会食は辞して出発。夜10時頃石巻に到着、「チーム神戸」事務所に投宿。

 3月11日(月)
9時「チーム神戸」のみなさんやスタッフさんとともに湊小学校入り。前日までにすでに会場の体育館の飾り付けはほぼ出来上がっており、いくつかの掲示物の飾り付けなど手伝い、また今回はPA機器とBGM音源の用意を担当していたのでその準備。それより急いで上演準備に取りかかる。能楽師控室は昨年と同様体育館のステージ上。1年間積み重なった埃と苦闘しながらの準備。

11時、実行委員長挨拶のあと開式。すぐに第1回目の上演 能『龍田』。14:46、震災の発生時刻に合わせて市内にサイレンが響き、黙祷を捧げる。直後に体育館では山形県の曹洞宗のみなさんにより法要が営まれる。昨年も感じたが、読経の声の美しさに魅せられる。曹洞宗のみなさんはこの日炊き出しにも活躍。15:30能楽上演2回目『菊慈童』。16時閉式。この頃JIN'S PROJECT代表の折尾仁さんも湊小学校に到着。

撤収のあと「チーム神戸」のみなさんと別れ折尾氏と会食しながら打ち合わせ。
この日は市内の別のボランティア団体が運営する宿舎に投宿の予定であったが、都合により「チーム神戸」事務所に再度投宿することとした。

 3月12日(火)
午前9時、今回の活動の最後の上演地「立町復興ふれあい商店街」に到着、顔なじみの店舗さんにご挨拶をして上演準備。11時より能『龍田』を上演。上演前に店舗を巡回し、上演後にお客さまと記念撮影をする方法はなんとなく確立した。明友館の千葉恵弘さん、巻.comの伊藤さん、プロジェクトに毎度協力頂く石巻市民の相澤さんもお出まし頂き、楽しい公演となった。終演後、NHKテレビの取材。戸田海産物店さんにて「お茶っこ」に呼ばれ、しばし歓談。おみやげをたくさん頂いて恐縮。

これにて今回の活動は成功裡に終了、仁さん案内にて名取市閖上、七ヶ浜町を視察。仙台駅に到着の頃NHKニュース「てれまさむね」にて立町商店街の公演の様子が放映されたのを車内ワンセグテレビにて視聴。寺井氏はこれにて高速バスを利用して会津へ出発、折尾氏は翌日の予定があるため仙台に宿泊のため、仙台駅にて解散し、八田は東京へ帰宅。

【収入・支出】

  プロジェクトの活動は基本的に募金によって行われておりますが、今回はJIN'S PROJECTさまとの共催の形を取り、同団体の斡旋により活動資金の一部を「THE BODY SHOP」さまより補助頂くことができました。また一方、今回は東京での公演の宣伝に併せてプロジェクトの活動も宣伝させて頂く機会があり、募金も過去最高の人数・金額のご支援を頂くことができました。関係各位に深謝申し上げます。

  募金は基本的にプロジェクトのボランティア活動資金(以下「ボラ」)として使わせて頂きますが、とくに被災地への直接支援を目的にプロジェクトに寄せられた義援金(以下「ギエ」)はプロジェクトとして支援するのに然るべき団体。。被災地に拠点を置き、直接被災者の支援活動に従事することを目的とした、非営利で公明正大な活動が長期に渡って期待できる、信頼すべき団体に寄付させて頂きます。

  プロジェクトの活動資金としては、前回活動繰越金として 121,001円(内訳:ボラ 88,501円 ギエ32,500円)があるほか、前回第10次支援活動の決算のあと銀行口座へのべ16名様より計244,000円を頂戴し(過去最高の募金額を頂戴致しました)、またJIN'S PROJECTさまの活動への協力によって出演料(2回分)計25,000円を頂戴致しました。12円の預金利息を含め、計390,013円(内訳:ボラ 357,513円 ギエ32,500円)が第13次活動の前に計上されております。(なお11次・12次活動については福島県双葉町の住民さん支援のため埼玉県立騎西高校避難所での活動であり、プロジェクトとしての支出がなかったため決算書はありません)

これに対して今回の活動による支出の内訳は別紙決算報告書にある通りですが、プロジェクトメンバーの八田・寺井の交通費のみは「THE BODY SHOP」さまの補助を頂くことができたため、募金頂いた方へ向けてご報告させて頂く趣旨である同決算書では、その分の支出は割愛させて頂いております。純粋にプロジェクトの資金からの支出をもとにした今回の活動終了時の残額は 316,944円(内訳:ボラ284,444円 ギエ32,500円)となっております。これらは今回の活動繰越金として計上し次回活動の資金として有効に使わせて頂きます。

  プロジェクトの訪問公演の支出につきましては節約を旨としております。交通費節約のため、できるだけ深夜割引の制度を利用して終夜運転をして早朝に現地に到着するなど工夫はしておりますが、体力や公演スケジュールによって、必ずしも深夜走行ができない場合もあります。また宿泊につきましても通常は住民ボランティアさま等のご厚意により無料、または安価での宿泊を旨としており、食費については酒食の区別がつきにくいため、すべて自己負担としております。

前述の通り今回は企業のご支援を頂き、また多くの方に活動資金の募金を頂戴することができました。しかしながら今後も長期に渡って被災地での活動が継続できますよう、みなさま方には引き続きまして活動支援をお願い申し上げる次第です。



【成果と感想・今後の展望】
プロジェクトとして第13次となる今回の支援活動では、震災2年目の追悼集会2箇所にて奉納上演をさせて頂くことができました。いずれの集会でも大変厚遇を受けましたことはありがたい限りです。また一方プロジェクトが活動の目標のひとつとして掲げる「文化の復興」を念頭に行った「星と能楽の夕べ」気仙沼公演は、すばらしい会場、共演者、そして優秀なスタッフのみなさまの協力を得て、素晴らしい公演となりました。

また念願であった気仙沼・地福寺の片山秀光ご住職との共演、2箇所の仮設商店街での温かいふれあい、どれをとっても印象の深い活動であったと思います。多くの出会いも生まれ、新しい活動の展望も持つことができました。まさに幸福な時間を過ごさせて頂けたと感謝しております。

一方、仮設商店街での上演の機会が増えたのに対して、仮設住宅での活動が少なくなっていることが気になっております。ひとつには漁業の復興が進んだり、仕事を見つけることが出来たり、という結果、平日の昼間には住民さんがあまり在宅しておられない、という事情もあり、これは喜ばしいことなのではありますが、まだまだ仮設住宅に引きこもる住民さんも多数おられるはずで、きめ細かい活動の方法を模索する必要があるのではないか、と考えております。なお今回は3月11日を中心とする日程での活動でしたので、時期としては仮設住宅を訪問するのにふさわしいとはいえず、追悼集会や仮設商店街での上演に絞って出演交渉を進めた実態もあります。仮設住宅への訪問は今後の活動の中で新たな展開を図ってゆきたいと考えております。

震災2年目のその日に、再び被災地での活動を行うことができ、内容としても充実したものとすることができました。これもひとえに現地関係者および住民さんや友人など多方面の献身的な協力により実現できたものです。また静岡県伊豆の国市のご父兄から頂戴した支援物資や多額の活動資金の募金など、各方面からの変わらぬご支援も頂戴することができました。プロジェクトとしては「文化の復興」というひとつの指針をもっての活動を指向しておりますが、感謝の心をもって息長い活動を続けてゆければ、と考えております。今後とも各位のご支援をお願い申し上げる次第です。


平成25年6月14日




                             「能楽の心と癒しプロジェクト」

                               代表   八田 達弥

                             (住所)
                             (電話)
                              E-mail: QYJ13065@nifty.com