筋力が衰えているんだなあ。バランス移動の変化に対応出来なかったのだ。それで直接、骨の出番となったのだろう。ともかく躰を支えきれなかったのだ。空中分解すれすれだった。
ふふふ、もしかしたら、目に見えない宇宙人が後ろから不意に、「ある力」を加えて来たのかもしれない。ともかく、何故いきなり転倒を招いたのか説明ができない。謎めいている。
筋力が衰えているんだなあ。バランス移動の変化に対応出来なかったのだ。それで直接、骨の出番となったのだろう。ともかく躰を支えきれなかったのだ。空中分解すれすれだった。
ふふふ、もしかしたら、目に見えない宇宙人が後ろから不意に、「ある力」を加えて来たのかもしれない。ともかく、何故いきなり転倒を招いたのか説明ができない。謎めいている。
いや、松葉杖もつけない。廊下の突き当たりのトイレまで、杖を突き、壁を伝わり、そろりそろり歩いてみた。雲☁雲☁をしに。痛い痛い痛い。旅には行けないことが確認できた。やはりこのままずっと横になっているしかないようだ。腰も捻っている。右足の付け根も捻っている。
明日何が起こるか。今日何が起こるか。分からない。寝た切りになって、車の運転なんて諦めざるをえないのかもしれない。ふっと気弱になる。
ふふ。何が起こるか。これは分からない。今日は郵便局へ行く用事があった。突然のアクシデントで行けなくなった。左足の甲の骨折疑いあり。痛い痛いで、寝ているだけとなった。昨日から久留米市立美術館の展覧会を見に行こうと狙いを定めていた。これも不可能になった。別府温泉の隠れ湯をネットで探し出していたので、昨日のうちに電話を掛けて、事実確認をしておいた。山中の深い紺碧の温泉である。実現が遠退いた。何が起こるか。これは分からない。死なずに済んだだけでも儲けものなのかもしれない。
これで暫くは自宅待機を余儀なくされてしまうだろう。旅には出て行けないだろう。それとも、「旅に出て行くな」ということだったのだろうか。松葉杖をついてなら、でも、行けるかも知れない。松葉杖をついた旅人などというのは珍しいだろう。
安静第一にして、ベッドにゴロンとなっている。痛みは幾分退いているようだ。朝ご飯にはパンを用意してもらった。これなら寝たままの姿勢で食べられた。溲瓶を出してきてもらった。これがあれば、トイレまで歩いて行けなくとも、ベッドの上でできる。
レンガの積み木が崩れ落ちるように、前触れもなく忽ちにガクガクガクと倒れ込んだ。麻痺している左足の爪先に強い痛みが走った。左足は痩せ細っていて、一旦バランスを崩すと、体の重さを支えきれないのだ。咄嗟に、骨折していると判断できた。痛い。立ち上がれない。庭先を一回りしようとして玄関の踏み段を降りて、ミニトマトを手にした。ぐるりと向きを変えて、収穫物を踏み段に置こうとして歩き出した。その途端の出来事だった。躓いたのでもない。バランスを取ることに突如失敗して、崩れ落ちた。暫くは倒れ込んだままでいるしかなかった。ここまで左足の甲の骨は脆くなっていたのだ。痛い痛いと幼児のように泣いた。
ベッドまで這って来た。氷で痛いところを冷やしてもらっている。もう何にも出来ない。立ち上がれない。朝ご飯は無理だ。整形外科へ行って診察をしてもらおう。