積乱雲がニョキニョキ。石鹸泡ぶくの竹の子山。宿の小窓から見える夏の風景。僕は露天風呂までを行き来する。
ここは小さな湯の宿。お孫さんだろう、玄関ホールのロビーで遊んでいる、キイキイキャァキャァ楽しそうに。学校帰りなのかも。女の子三人。小学校3年生らしい。三人とも、結んだ髪が長くお尻まで届きそうだ。
そろそろ客が立て込んできた。一階の大広間の宴会は、一人暮らしのお年寄りをお世話して回られる役目に就いておられる方たちの集まり、二階のそれは西瓜生産組合の打ち上げ会らしい。ここらは西瓜の一大産地なのだ。
賑やかになりそう。西瓜生産者になりすませて宴会場に忍び込み、ねじりハチマキ、大騒ぎしてみるという策を思い付いたぞ。