さっきの詩を書き上げるのに、40分を必要とした。ようやくできあがった。
詩を妊娠した。わたしの内奥で宇宙精子と宇宙卵子が合体をして、細胞分裂が始まって、心臓が動き出して、血液が流れ出して、頭脳が形を取って、各器官が芽生えて来て、目鼻口耳を揃えて、誕生した。
安産だった。嬉しい。いまその詩の赤ん坊を両腕に抱いているところ。にっこり笑んでいる。可愛い顔をしている。
さっきの詩を書き上げるのに、40分を必要とした。ようやくできあがった。
詩を妊娠した。わたしの内奥で宇宙精子と宇宙卵子が合体をして、細胞分裂が始まって、心臓が動き出して、血液が流れ出して、頭脳が形を取って、各器官が芽生えて来て、目鼻口耳を揃えて、誕生した。
安産だった。嬉しい。いまその詩の赤ん坊を両腕に抱いているところ。にっこり笑んでいる。可愛い顔をしている。
詩「こころからお礼が言いたい」 薬王華蔵
わたしを/
口よ/
懸命に/生かそう生かそうと奮闘してくれた/君のその/実践の事実を
認めるよ/評価するよ
ありがとう
唇よ/舌よ/歯よ/歯茎よ/唾液よ/喉よ/ありがとう
君たちの日々の努力に/お礼が言いたい
まことに突然で唐突だが/こころからお礼が言いたい
今真夜中の3時/目を覚ました
わたしは/元気でいる/ふうふうと息をしている
わたしを/わたしにしてくれている全身の
一つ一つの部位に/お礼が言いたい
一つ一つの部位の/働きに/お礼が言いたい
一つ一つの部位の/意識と意思に/お礼が言いたい
こころから深々とお礼が言いたい
そうしようとしたこころにも/深々とお礼が言いたい
タオルでほっかむりをして、これから農作業をする。昨日、EM菌入り有機肥料牛糞をどさりと施肥して土をふかふかにしておいた。そこに巻かない白菜、半結球山東菜の苗を植え付ける。苗はすでにプランターでしっかりと育っている。昨日の夕暮れもこれをしていた。日没までこれに掛かっていた。種を蒔いて育てているから、苗はふんだんにあるのだ。
農作業はストレス解消に役立つ。大いに役立つ。どれだけ助かっていることか。
2
わたしは醜悪だ。あなたの傍にいられるはずはない。近づけるはずもない。だったら鬼の顔と鬼の心のままで、雲になって、あなたを見下ろす空に、ひっそり浮かんでいたい。醜悪な者は、人の数倍も、この世の見せる美に憧れる。
1
あなたの傍にいたい。今日はそういう我が儘なわたしがいる。あなたのやわらかな曲線をなぞっていたい。あなたの息の聞こえるところにいたい。そうやって一日ゆったりとあなたのやさしさとあたたかさを讃えていたい。
3
あなたは麗しいおんなの人であってもいいが、高い空であってもいい。青い海であってもいい。野の竜胆(りんどう)でもいい。
秋日。万物がおだやかでいる。わたしはあなたの傍にいてあなたを見ていたい。
2
煩わしいことはすべて抜く。好きだとも言わない。そういう感情が我が内に山霧を為して白くうっすらと浮かんでいるのを楽しんでいればいい。寄り添ってもいかない。
1
こんな日はあなたの傍にいてあなたを見ていたい。見ていないというようにして、見ていたい。わたしがここにいるということすら気付かれないようにして。わたしの存在を極力小さくして。
3
よっぽどこの畑の居心地がいいのだろう。肥料が効いたのだろう。育てようとする意志の大きな愛情が聞こえて来ているのだろう。秋日が柔らかく届いて来ている。
2
折れも倒れもしていない。なよなよと泣き崩れていない。立ち上がっている。珍しいことだ。風が黄緑色の元気を吹いて過ぎる。九条葱は植物特有の健康さを見せつけている。