下の続きです。著者は、逃亡生活中、図書館を見つけては自分のことを書かれていないか新聞をしょっちゅうチェックしたり、ラジオやテレビも視聴していた。
遠隔透視の超能力者が「彼は東尋坊に訪ね、自殺を図ったでしょう」と言っているが、自分はこうして今、ここにいるじゃないかと思わず突っ込みたくなった。かといっても、テレビ局に抗議の電話ができる身じゃない・・・なんとか書かれてありました。
犯人の居場所を特定するために見たことも訪ねたこともない遠い外国の風景を透視し、それを絵にするバラエティーのテレビ番組は、うやむやで終わらせているのがほとんど。これはたぶん視聴率を高めるためのヤラセではないかと思う。もし、これが可能ならば、全国指名手配中の犯人の居場所を特定できるはずだ。
1月26日に発刊されたばかりの本を読んでみました。
警察などの捜査機関には黙秘し続けていたのに、この本では2007(平成19)年3月から2009年11月に逮捕されるまで自分の軌跡が克明に書かれています。
市川から上野、秋葉原、熊谷に辿り着くまでは電車、熊谷から水戸まで徒歩、水戸から電車に乗っていたら、気が付くと熱海。
福岡の知り合いに「遊びに行っていいですか?」とメールしたため、警察はメールの記録を見ているはずだ。ならば、福岡とは逆方向の青森へ。東京に戻り、新潟。線路沿いに放浪しながら青森に向かったとすると、線路は羽越本線かと思われる。
青森でしばらく滞在し、電車で再び新潟へ。
真夜中、かなり大きな駅。駅員はいなかったが、改札は開いていた。
ホームで特急列車を待って、列車に乗り込むとトイレの中に隠れた。
トイレで何時間も隠れていたら、明け方近くに「次は京都です」とアナウンスが聞こえた。
特急だから最初、トワイエクスプレスかと思ったら、明け方に京都に着くのは急行の「きたぐに」。
新潟22:54~糸魚川1:24は新潟県内、京都6:17、大阪6:44、終点新大阪は6:49。
トイレで隠れていたというのは、無賃乗車ですな。切符持たずなのに、どうやって大阪の改札をすり抜けたのか。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のコミックを拾い読み、両津勘吉はゴミ屋敷のような汚い部屋で暮らしているせいか、体の中の免疫が強くなって風邪を引かない。自分もホームレスの体に慣れてしまえば免疫が強くなるはずだとか、そう書かれています。
そういえば、昔は「花粉症」という言葉はめったに聞かされることはなかった。
きれいな環境に慣れてしまったのか、花粉に対する免疫が弱まったため、体内に入ると過剰反応するようになったとのことです。
つまり、汚れた環境に慣れると花粉症に強くなるらしいですが、実際はどうなんだろう。
話が脱線してしまいました。図書館で「コザ(今は沖縄市)に抱かれて眠りたい」という本を読んで沖縄逃亡を企んだが、飛行機だと搭乗時にセキュリティチェックに身分証明の提示が求められる。偽名を使ってフェリーで沖縄に出向いたとか。
潜伏先は本書では書かれていないが、テレビでは沖縄本島から西へ100キロのオーハ島と言っていました。(ネットで調べたところ、2010年現在の人口は1名)
オーハ島のブロック小屋でサバイバル生活、「毒ヘビ」(ハブだと思われる)も捕まえて食べ、いつでも死ねるように「有毒のトリカブト」を持ち歩いていたとか・・・。
著者は東京拘置所で収監中、自分の犯した罪の懺悔のひとつとして、それを記したとのこと。
公判前の身柄を拘束する者は独居部屋で書きしたためたり、趣味に打ち込んだり、自分の好きなように食べたり、比較的自由な生活が送れるそうです。(死刑囚も死刑そのものが刑罰なので、執行されるまでは未決囚と同じような環境)
懲役何年とかの刑罰を受けた服役囚は、刑務所で規律正しい生活を送り、日中は作業に従事しなければならないそうです。