タイトルに惹かれて買ってしまいました。
尖閣(沖縄県)・竹島(島根県)・北方四島(北海道)・南鳥島(東京都)・沖ノ鳥島(東京都)・対馬(長崎県)・与那国島(沖縄県)・・・・ほとんど日本領土の極端な場所ばかりです。
DVD映像も付いて、手ごろな980円でした。
著者は山本皓一(やまもと こういち)氏、本格的な日本国境の島を取材し、2006年までにすべての国境の島に上陸したとのことです。
長崎県の対馬は韓国までわずか50キロ。韓国人にとっては、1番近くて手軽に行ける海外旅行として人気があるそうです。
写真の郵便局も漢字による局名は載っていませんでしたが、「???? ??? (ワニウラ ウチェグク)」と読めます。
鰐浦郵便局は対馬市上対馬町にあり、韓国に1番近い郵便局でした。
郵便局までハングル文字、バイリンガル状態になっていますな~。
鰐浦郵便局で50キロ先の釜山宛ての郵便物を差し出したとしても、釜山行きの船には積めずにいったん新福岡支店の通関を通過しなければならないそうです。
北海道の北方四島も根室市から数十キロ先。対岸ではロシアの郵便局が受け持っています。例えば、根室から国後島に送るのに、根室郵便局→帯広支店→新東京支店羽田分室→東京国際支店→成田国際空港支店→ロシア首都のモスクワ→サハリン→国後島 といったような配送経路になることが予想されます。
まるで北と韓国の国境線・板門店みたいに数メートル先の反対側に行きたければ、ロシアまたは中国などの第三国を経由しなければならない。
初めて板門店の南北会談場に踏み入れたときのこと。テーブルの真ん中に敷かれてあるマイクの線は韓国と北の国境線。
会談場の中は南北共有なので、北側のゲストがいなくなったのを韓国兵が目視で確認し、建物の四方に兵士配置。それから韓国側のゲストを迎え入れます。 北側の出入口で韓国兵がしっかりとガード。
万が一、観光客がドアを開けて、一歩でも外に踏み入れてしまえば、亡命になり、北から戻って来れなくなる事態を防ぐためだそうです。
「あのドアを突破すれば、北という未知の世界に踏み入れることができるかも」とふと思ったのですが、やはり怖いです。
会談場の中に限って国境線を超えても大丈夫です。北の領土に居られたのは数分でしたが・・・。窓の外ではカーキ色の服をまとった兵士が様子をうかがっていました。
新炭里(シンタンリ)駅も韓国の中でも秘境駅と言われています。
北の国境まではほんの数キロ。行き当たりバッタリの旅で、付近の民宿で1泊しようかなと思っていたのですが・・・寝ている間に北の兵士がやってきて、連れて行かれてしまいそうな妄想に陥ってしまったため、その日のうちソウルに引き返してしまった思い出があります。(笑)やはり、北の国境線付近で一晩明かすのに不安が伴ってしまいます。
北の話に脱線してしまいました。
この本は東京都小笠原村に属する南鳥島や沖ノ鳥島に関する映像や画像盛りだくさんです。
沖ノ鳥島は満潮になると標高16センチ。それでも堅牢なチタンで守られています。
この近くに海上観測施設が建てられているのですが、3階建てのアパートのようなものが見えます。
中はどのような部屋になっているか、気になるのですが・・・(笑)
一般人が滅多に行けない、極端な場所をまるごと楽しめる本です。