肖像画By秋田昌子さん(アトリエりべるて):「いつも前向きOgawaさん」
シニアの探し物について思ったこと。シニアの特徴だが、よく探さないで「無い」と言い張る「思い込み」に注意が必要だ。筆者が銀行で払い出し用紙に記入し順番を待っていたときのこと。隣で同年輩の男が突然「財布がない!」と係員に訴え、たまたま記入台にいた小生が疑われた。自分のカバンの中をよく探さず、私に近づいて来て「財布はここに忘れた!」と言わぬばかりに私を見つめた。これほど迷惑なことはない。結果は、彼の身辺から探しあてたようで事なきを得たが、老人の思い込みのとばっちりを受けた日だった。
このような現象は自分にだって起こり得る。最近思うことだが、75歳を過ぎれば高齢者だ。自身も傘寿となり集中力が落ち、物忘れは当然だが、肉体疲労なのか身体中の機能が正常ではないと意識しだした。食べた物の食道と気管への分別機能不可。たまの眩暈、平衡不全、視力の減退、手足の運動機能の退化等、身体の劣化が目立つようになった。が、敢えて良いところを探せば、まだ動悸はないし血圧も正常。体重も偏らず姿勢もよい。
高齢者の思い込み事件に巻き込まれた場合、目クジラ立てることはない。自身も同じようなことをやりかねないからだ。シニアの習性と思えば腹も立たないのではなかろうか。アトリエりべるての秋田さんが筆者の肖像画にタイトルをつけてくださったように、自他の「思い込み」を恐れるより今まで通り前向きに生きていくことが重要だと自覚した。筆者を描いてくださった「りべるて」の皆様、ありがとう。(自悠人)