今冬もまた教員免許状更新講習の講師を務めさせていただいた。日本津々浦々から今回は83人の先生方がご参加、筆者の担当は「異文化理解と共生の教育」、「グローバル教育者に変身!」だった。後者、2日目のクラスでは半分の時間をグループ・ディスカッションにあて、いろんな担当教科の先生が混ざる10人ぐらいの小グループで熱心な討議が行われた。テーマは今回は「魅力ある教育者、人間像とは?」「意見表明の重要性とその難しさ、発言の効力について」や「日本におけるグローバル教育のありかた」よりグループ別に選択して頂いた。真剣な討議の結果をまとめて発表されたが、どのグループの発表も他のグループの先生たちに、(勿論筆者にも)参考になった。真面目で純情、魅力的な先生方の心情を吐露する論文も読ませていただき、ディスカッションではパワーを感じた。講義の間中、「この問題を生徒たちにどう考えさせ、講習をどうクラスに生かそうか」、と常に考えている先生、「共生の教育」という観点から教室での子どもの遊びにも注意を払っている先生、発言が苦手な日本人の問題点を分析し、子どもに自信を持たせ、発言できる子どもを育てるにはどうするか、を真剣に話し合う先生たち、等々、全ての参加者の熱意が伝わってきて楽しい2日間だった。(彩の渦輪)
HB車Aquaと筆者 アメリカで乗っていたキャデラックと筆者
首都高速道路を運転することになった。HB車で荒川区の尾久にある東京女子医大病院まで行くことにした。ワイフ退院後の初外来ゆえ電車で立たせる訳にはいかない、と。退院時は家までタクシーを利用したが、新車を買ったので長距離試運転にもなるから丁度よいと思って。25年振りの首都高速、方向と馴染みの地名は判るが、分かれ道でどちらを選ぶかが判りづらく、ナビの案内にも不慣れで、間違えてレインボウ・ブリッジを渡ってしまった。成田と羽田または横浜と表示が出て後者を選んだが、浜松町、銀座が目に入ったので大きく右回りして上野方面に行き、地上に降りた。そこからはナビ頼りに尾久に向かったのだが、依然として迷った。迷うとナビを見る余裕がない。行きは2時間半かかり、病院の予約に遅れたが、帰りはナビに従えたので1時間強で済んだ。どちらに行ってよいか判らなくなるのが日本の高速だ。先月アメリカで高速I-71を含めて650Kmほど運転し、高速運転の感覚を思い出した。USAの道路はスパゲティを流したような何重もの立体交差なので間違えることは少なかった。来年はアメリカ大陸を1か月ぐらい最後のドライヴでもしようかと遠大な企画を考えている。
走行していて現実の日本が見えた気がした。殆んどの車が新しい。不況と言いながらピカピカの車に乗っている。また、今、この高速の上で地震が来たらどうなるか、と想像した。ビルや橋、コンクリート・ジャングルの真っただ中、人々の命運はその瞬間で決まる。狭い国土に人間のひしめく都市集中型の近代国家、安全に暮らす環境は限界に近いのではないか、と思った。(自悠人)
秀子さんが大安の日だからと快気祝いに栗おこわその他を届けてくださった。「大安」などという言葉も忘れていた筆者だが嬉しかった。我が家でよく行うPartyで重要な役目を果たして下さる秀子さんは、近年までいたアメリカでもよく開いた大きなParty、Multicultural Music, Art & Luncheonにも文化使節で来てくださったことがあり、大正琴を弾いた後、着ていた着物をパッと脱いでアメリカ人ゲストへのプレゼントに提供した人だ。何でも出来るレディーだが特にお料理のプロで、障害者ための施設でお仕事をなさっている。誰にでも優しい心が「大安の快気祝い」を思いつかせたのだろう。
この日、もう一つ届いた。山中湖畔の麗子さんから安全食品の詰め合わせだった。以前このブログで紹介したことのあるドクダミ茶を始め、自作のキウイ、きなこクリーム、無添加マヨネーズその他、彼女の知識と実践に驚き多くを学んだ。エンジェルさんが入っていて心強い。食が細くなっているのでこれらの到来物を長いことかけて頂いた。明日が手術後1か月目だ。退院後の筆者は家事、原稿書き、30分の散歩、という生活。昼間横になるのは1、2時間程度だがまだ疲れやすい。食欲回復が今後の課題だ。(彩の渦輪)
地球に優しいバギーでラララ
地球千鳥足夫婦が世界を歩きつつ口にする嘆き節:夫「車が地球を滅ぼす!」妻「プラスティックが地球を滅ぼす!」だ。ドミニカ共和国のような海に囲まれた平和な国でも路上は車の数珠つなぎで排気ガス吹き出し放題。インドはカシミール地方、風光明媚なタール湖にも、マチュピチュの麓の美しい川にもプラスティックの容器が渦巻き、アマゾンの奥地の小村では紙とプラスティックを一緒に燃やしていた。水も空気も汚染され続ける地球!だが、馬の蹄で軽やかに走るバギーは地球を汚さない。「ラララ、車を止めてバギーにしよう、緑の街によく合うバギー、貴方も私もバギー、バギー!」とバギー賛歌を歌いつつ、せめてこれぐらいは、と公害を生まぬ車に切り替えた。
シンプルライフは若者にも魅力
北米最大というオハイオ州、ホルムズ郡のヘリテージ博物館は一訪の価値がある。Heinz Gaugelが描いた一大絵巻にアーミッシュ&メノナイトの歴史が世界史と関連させてリアルに描かれ、円形に一周する。幼児洗礼を認めず再洗礼派と呼ばれるアーミッシュは16世紀、宗教改革の嵐の中チューリッヒで生まれた。迫害を受け結束を固め、その後ドイツに移住し、17世紀の30年戦争時アメリカへの移住を決めたアーミッシュ。北米ではペンシルベニア、オハイオ州等28州やカナダに20万人以上が住み、南米にも分布が見られる。ここで夫が質問した。「アーミッシュ村は若者が出て行きシニア村になっていない?」と。答えは「否」だった。「そんな時期もあったが今は若者の比率が多い」そうだ。若者だけでなくアーミッシュ全体の人口増が報告されている。利便性を追求するあまり地球を破壊し続ける我々先進国の生活の反省から、人々は、交通事故、公害や犯罪のない平和な社会を希求するアーミッシュ社会に誘引され始めたのだろう。
筆者の人生を振り返ってみた。小虫のように急ぎ足でやみくもに歩き廻り、立ち止まることも少なかった人生。時がゆっくり流れる心豊かな社会、アーミッシュ・コミュニティーに移住出来れば…と今心から憧れている。(彩の渦輪)
電気無しで豊かな生活
先月アーミッシュのコミュニティーをいくつか訪問、親切な家族に何組か会えて屋内を見学させて頂けた。ここではオハイオ州アダムス郡のメアリー・ダニエルご夫妻の家庭を紹介しよう。電気と自動車は使わないアーミッシュだ。屋根にはソーラーが並び、太陽エネルギーは地下のバッテリーに保存され、そこからインバーターを経てコピー機やミシンを動かす。部屋の天井にはガスによる灯り。ガスと「ソーラー+インバーター」システムを併用し、便利な生活だ。家具会社を経営している夫婦だが、ダニエルは家では豚の世話をし、メアリーはベビーシッターをし、子ども5人に各種の仕事を分担させ、家族全員働き者だ。テレビ、ラジオとエアコンは無く、Simplicityを重視する。重視するからこそ仕事は無限にあり健康的生活だが、時はゆったり流れ、心は豊かだ。余談だがテレビ受信より外で活動してきた我々夫婦、生き方に共通点が多い。
エネルギーの効率的生産は怖いものだ。つい先月ウクライナを訪問し、チェルノブイリの犠牲になった子どもたちの写真や遺品の玩具、奇形の馬、等に胸を詰まらせた筆者、福島の犠牲者たちが未だ故郷に帰れないでいる現実を他人事と思えない筆者にとって自給自足のアーミッシュ・ライフは魅力だ。なお、アーミッシュとよく似て厳しいルールを守るメノナイトというグループがあるが、メノナイトは電気を使い、車は制限しつつ使う(例えば3軒に1台だけ、とか)。いずれも厳格なキリスト教徒で、教会は持たずシンプルライフを維持し、日常生活でキリストの教えを実践している。美味しいパンにもちょっと触れよう。20年ほど前にもアーミッシュ村を訪れパンを買った。とても美味しかったので今回も沢山求めたが、お店にはお客が溢れていた。チーズその他の酪農品、蜂蜜、ナッツ類等、食品添加物が含まれていない食料は安心でその上美味しい。続く(彩の渦輪)