デンバーに本社のある国内便フロンティア。ここの出国カウンターは他に比べ騒々しいほど賑わっていた。預ける荷物も無料、シンシナティまで片道112ドルは安価、しかも中型機エアバスA320型で他社の小型機とは異なり座席の広さに余裕がある。が、当然だろうが古機体ゆえ肘置きなど壊れっぱなし。我々夫婦は事故への恐怖を少し感じながら乗ったが無事到着。事実、この飛行後間もなくドイツのジャーマン・ウィングス社の同類機がバルセロナを発ちフランス南東部に墜落し、150人全員犠牲になった。その後の調査でドイツの飛行機事故の原因は古い機体の所為ではないと判明したようだが、行動は賭け、あとは運だけ、安価だから選んだことによる結果は命運だろう。「無事だった!」と改めてホットした。ドイツ機の原因は其の後の調査で副操縦士説が浮上、航空機の機能欠陥が原因ではなかった。我々は次の機会も格安機を利用しようと思っている。(自悠人)
革命でイラン最後の王朝となったパフラヴィー王の王女さま、だというナッシーと美江子さんが親交があると聞き、ボルダーに住む元王女を訪問した。83歳、ハッサンという夫君と一緒に面会頂けた。壁いっぱいの絵がかけられていた。国王が日本の画家から頂いたものだという。富士を囲んで7羽の雁が飛んでいる、150号はあろうかという巨大な水墨画だ。美味しい紅茶とお菓子でおもてなし頂いたが元王女様は所作が優雅、年経てなお品性があった。「綺麗な英語ですね」と賛辞を述べたら、「子どもの頃母に習ったの!」と嬉しそうだった。ボランティア活動に熱心だという。夫君は皇帝の忠臣の子息とか、脳梗塞の後遺症でつらそうだったが、「また来てね」と笑顔で見送ってくださった。亡命先で年経ても他人のために奉仕活動する元王女の人生に乾杯!(彩の渦輪)
食事サーヴィス・ボランティア、この日のメンバー。後ろの男性は責任者で元校長先生
コロラド州ボルダーへは以前松茸狩りに行ったことがあるが、今回は友人美江子さんの庭木の剪定を申し出た夫と同行し、筆者は別の活動を試みた。
家なき人々へ食事サーヴィス・ボランティア
到着翌日活動開始、家なき人々への月1回の食事提供会に参加した。食材の質も栄養価も上々、料理の種類も味も良い。ボランティア仲間には中学生2人や高校生、彼らの母が居たが、この国では奉仕活動に学校の単位が取得できるのだ。会場作り、料理手伝い、スタッフとの会話等を楽しんだ頃いよいよ家なき人々の登場。皆さん大きな寝袋を持っていた。食事が終わりそうな頃合いを見て皆さんに交わり会話した。元大学教授で奥さんに放り出された人、領事だった人の息子、マイケルジャクソン似でおしゃれな人、雄弁な女性等、大抵は気質穏やか、物腰柔らかでお喋り好き、笑顔の素敵な人々だった。今夜の宿の相談をしあっていた。金儲けに縁がなく社会からポンッとイジェクトされた人々だ。「また来てね!」と言ってくれた人、無言でしっかりとハグしてくれた人、等、何人かと言葉や視線を交わし別れを惜しんだが、心が通い合い、宿舎を持たぬ彼らへの愛情と悲しみで胸が詰まった。(彩の渦輪) 左:この部屋でお食事 右:ボルダーへ着いた翌日の3月4日、このつらら
アメリカに出かける前日、和菓子の紀の国屋で最中(もなか)とおこじゅ(どら焼きのようなお饅頭)を買った。最中は美江子さんへのお土産だ。美江子さんはコロラド在住の友人だが新聞によく登場する人で宮澤レーン事件の宮澤君の実妹、国立にも住んだことがあり、紀の国屋の餅入り最中が大好物、喜ばせてあげようと箱入りを準備した。ついでに我々夫婦も成田空港での待ち時間に食べようとおこじゅを3つ買った。しかし食べたい欲求を抑えきれず出発前夜筆者が1つ口に入れると…餡の中から尖ったものが!!!慌てて吐き出したが危うく喉を直撃するところだった。玄米を食べている関係上筆者は食べ物を30回は噛むので事故を免れたが、長さ2.5cm、す~っと飲み込むには長過ぎ、安全にひかかるには短く、丁度突き刺さる長さと形だ。30回噛む筆者と異なり、3回噛むか噛まぬかの早飯自慢の夫だったら間違いなく喉に突き刺さったことだろう。竹串の先端を刃物で削ったような鋭利な裂け目は写真では下側になりよく見えないだろうが植物の茎のようにも見える。出発前夜ではなく予定通り成田で夫が食べていたなら、救急車で運ばれ新聞種になったかも。その後も大変だったろう。今回のアメリカ行きはコロラド州とオハイオ州の2州にまたがり、多くの会合や行事の予定がビッシリだった。会合欠席連絡や問題収拾に困惑したことだろう。無事2州を訪問、多くの人に会い、多様な体験をし、帰国出来て幸いだった。なお、美江子さんに夫がこの異物混入事件を話した時美江子さんは最中を食べるのを止め、残りを息子のお嫁さんにプレゼント。オットット、なんて仲良し!?(彩の渦輪)
先ごろ「同窓会コンサート」なるワクワク・ショウ、60-70年代ヒットパレードを見に(聞きに)中野サンプラザに出かけた。お目当ては西條秀樹と加橋かつみ。チラシには「信じられない!目の前に青春時代のトップスターが!豪華出演者勢揃い!」とあり、秀樹を始め、元タイガースの一員で美声の持ち主加橋かつみ、今陽子、伊藤咲子、尾藤イサオ、Lilies, あいざき進也、西口久美子、元ゴダイゴの一員タケカワユキヒデ等の名が。司会はあべ静江。若き日、娘が高校生ぐらいだった時だろうか、秀樹のファンだった、その影響で筆者もヒデキのファンになった。最近このコンサートの新聞広告を見た時、「娘にサプライズを!」と、こっそり2枚チケットを購入、だが、あいにく娘は仕事で無理、付き合いの良い千代子さんがご相伴してくださった。その日はもうソワソワ、中央線の電車で加橋さんの歌「おお、愛のしるし、花の首飾り」と口から出かかるのを抑えるのに苦労したぐらいだ。
予想通りなんて楽しかったことか!「ハチのムサシが死んだのさ…」や「青い三角定規」で始まり、秀樹へのインタヴュー、そして、加橋かつみの歌を聞けた!白と黒の服装で2曲、あいかわらずデリケートな美声で、「Wonderful!」の一言!今年63歳というピンキーの今陽子さんはなんて声が良く、歌が上手く、スタイルが良く、コスチュームのセンスがいいことか!さて、もう一人のお目当て秀樹クン、ご存知2度の大病で心配していた。病気の後遺症で話し言葉は少しもつれたが、歌は全く問題なく当時と同様の歌唱力。何と筆者と娘が一番好きだった、ロマンチックな歌詞の歌、「ブルースカイブルー」を歌い、涙ぐむほど懐かしかった。チラシの文言通り「あの日に帰る」歌だった。フィナーレは同窓会歌手全員と聴衆とでYMCAを手振りしつつ合唱。秀樹クンが頑張っている姿は多くの人々を励ますことだろう。筆者の免疫力もアップした素晴らしき夜でござりました。(彩の渦輪)