かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

銀行に云う嘘

2009-07-03 | 事例
「じゃあ、これから銀行に行って、「もう此の会社は成り立って
 いかなくなりますから第2会社を作ってそちらで営業をします。
 ですから借金も払えなくなります。」と言えばよいですね。」

私はまじまじと相手の顔を見てしまいます。
今まで熱心に話してきたことが何も解かって居なかったと思うと
一寸悲しいです。

「もう今後、銀行が何を聞いても絶対に教えないようにします。
 其れだったら銀行も訳が解からず、何も出来ないでしょう。」
反対にこんな事を言う人もいます。

中小企業の社長は概して正直者。担保として自分の全資産を
預けて居る銀行には素直に全てを話しております。
銀行を信じて居りますし、銀行もこんな社長を信じて居ります。

ある時、もう今後、借金が返せないんだと解かると、社長の頭の中は
急に真っ白になり、冷静な常識をも忘れます。
第2会社のことを聞くと直ちに飛びつき、そしてから此れも、
今までの習性で銀行に打ち明けないといけないような気分になります。

「第2会社を作るのはね。今までの会社と無関係にすれば売掛金や
 預金を差押が出来ないでしょう。其れが目的です。其の第2会社の
 ことを教えるなんて、もう私は返済をしませんよと。そして差押も
 出来ないようにしますと言うのと同じです。そんな事言われて
 怒らない銀行がありますか。あくまで内緒にやる事です。」

「でも私、聞かれたら嘘はつけないです。一旦嘘を言うと次から次と
 新しい嘘をつかないと辻褄が合わなくなります。私には出来ません。」 
そう、1つの嘘を衝き通すには更に20ケの嘘を緻密につかないと駄目だそうです。
そんな緻密の脳味噌をお持ちのようにも見えません。

「黙っていればよいですよ。そんな事聞きっこないですよ。
 若し、今後の見通しを聞かれたら、其れは良く業績の見込み等を
 説明してください。絶対に第2会社のことを事前に喋ってはいけません。
 嘘をつくのではない。内緒にするだけですよ。ですから今の会社の
 業績の悪化とそれに対する対応策ならばどんなに喋ってもよいですよ。
 リストラの重要性など説明し、それに資金も必要ですから返済は暫く
 出来ませんと言えば何でも無い事です。」

要は、言い方を変えて、そして悪く言えば話を摩り替えて言いなさい。
其れならば幾ら本当のことを言っても、よいですよとアドバイスです。

大事なことを隠して喋る、嘘では無いかも知れませんが、此の隠すと
云う事がまた大変です。本当のことを全部喋らないと言う広義の嘘に
なるからでしょうか。

会社の危機は、正直に言えない事が多く発生します。嘘の必要になります。
こうして今まで嘘などついたことの無い人たちに試練がやってきます。
下手だとばれる。ばれたら非常に不利になる嘘です。

今までの嘘といえば在庫や売掛を誤魔化して決算書を若干の粉飾を
したくらいです。そして嘘の罰則は一旦やった粉飾は正常に戻したくても
出来ず、困って居る事です。

そんな人たちが直ぐに直面することは、売掛金の振込みが其の銀行に
入っていたのですが、此れを変える事です。正直には言えないし、
本当に皆さん困って居ます。結局は事前に断わらず黙って変更し、
後で責められたときには逃げ回っています。

此の頃からあの純情な社長方は銀行に対して嘘を言うのが次第に
平気になってきます。

銀行に言う嘘。言いたくて言って居る人は無いです。
自分が生きるためには嘘を言わないと生きていけなくなる。
だから自分を守るためです。

自己破産の時は、全て自分の財産を投げ出さないといけません。
と云って投げ出せば破産後の生活が出来ません。
幾ら隠し持っているかがその後生活を決めます。
此の場合の隠すという嘘は許されるでしょうか。
私はむしろやらないと駄目だと云う考えです。
そうでないと他人に迷惑を掛けるだけになります。

不良債権になる時の銀行に対しても同じです。
自分と家族を守るためならば、其れが一番優先するという考えです。

でも早く嘘をつかないでよい時代が来ないかな。
心からそう思って居ます。





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