「Tさん。あんたの処の手形、もうG銀行では割らないだって。
困るな。今後は現金で無いと取引出来ませんよ。」
仕入先の社長からこんな電話が入りました。
T産業は此の県下では名門企業です。
地銀のG産業とは何十年になる付き合いで、T家の莫大な不動産は
全部G銀行の担保になって居ります。
「其のG銀行で振り出した手形を、G銀行が割らないだって。
支店が違っても、T産業のことは良く承知だろうし、第一今まで
ずうっと割ってくれ手居たのではないか。銀行が手形を割らないと
業界で評判になれば、誰もT産業とは取引をしなくなる。」
Tは早速取引支店に訪問の予定です。
毎年此の時期、T産業は資金不足に襲われます。
例年は、銀行に融資をお願いして居ります。
今年も勿論お願いしました。厳しいと云うことを聞いて居たから、
紹介されたコンサルタントに資料造りを依頼し、ページ数も厚い
立派な計画書をつけて、銀行に持参しました。
しかし、今年はリスケもして居り、融資は不可との事でした。
「融資できなかった事と、何か関係あるかな。」
経理の部下に手形割引のことを言ったのです。
部下ははっと思い当たったと様にTに云ったのです。
「そう云えば今月、銀行の担当者から2度ほど電話がありました。
今月の手形の決済、大丈夫かの問い合わせです。
冗談と思って私は笑い飛ばしておきましたが。」
「融資不可と言い、割引もしないと言い、其の上大丈夫かとの
問い合わせ、尋常ではない。銀行は、何かT産業を色目で
見ていることには間違い無さそうだ。」
夜のろくろく眠れません。
翌日Tは、支店長のところに乗り込んだのです。
「此の大変なとき、良く持ち堪えましたな。敬服します。」
支店長の挨拶は単なる儀礼では無いようです。
「失礼ですが今のままでは銀行に殺されます。」
Tは担当直入、手形を割らないことを話したのです。
「我々は、何も変わらずT産業と付き合っています。
しかし、本部から何か支店に指示されているかもしれません。」
支店長は、次のことを打ち明けてくれました。
「我々は、今年も例年通りの3000万を融資しようと考えて居たのです。
ところが、お宅から提出された資料を見て驚きました。1億融資を
しても、不十分な体質に変わっております。我々の手では判断できず、
本部に資料を送り、本部の指示をお願いしたのです。」
結果は、なまじっかの融資では追いつかない。又融資をしても其の後の
右肩上りの計画が実行できるか解からない。と融資不可の指示があったと
云う事です。
そして、T産業は間違いなく倒産する。融資を断われば早くなる。
其の動向に注意すること。
又、T産業の発行手形は割らないように関係支店には通知をする。
と言う事になったと云う事です。
そういえばコンサルタントが言って居ました。
「なまじのことでは融資などしません。お宅とG銀行との間ですから、
どんな事が、あっても銀行は見捨てないでしょう。
ですから効果が大きい様、少し深刻な資料にしました。」
そのまま信用して銀行に提出したのが、融資が駄目になるどころか
手形割止めの行内通達までを出させたのです。
「あの資料は、何時ものT産業の資料とは違って居ました。
外部の指導が入っている事は直ぐに我々にも解かりました。
それだけにT産業はのっぴき為らない事情になって居るのだと
我々の推察したのです。」
「あの計画は、少しきつ過ぎて、実際は売上も回収もあれより
相当上回って居ります。だからこそ、こうして本日お伺いも
出来て居りますが、今回の手形割止めは不渡り発生と同じ効果を
仕入先にもたらして居ります。急ぎますから、私が本部に行って
取消しをお願いしたいと思いますが、お取次ぎをお願いします。
そして現在、作っている何時もの字金繰り表、早速参考にために
お届けいたします。」
楽では有りませんがT産業は頑張っています。
それにしても資料を作る場合、造り方など外部に相談は結構ですが、
売上などのメインの数字と、今後の大まかな方針は社長の考えが
基本で無いとなりません。
そうでないと経営まで他人任せと会社になってしまします。
宜しければ、ホームページもご覧下さい。
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仕入先の社長からこんな電話が入りました。
T産業は此の県下では名門企業です。
地銀のG産業とは何十年になる付き合いで、T家の莫大な不動産は
全部G銀行の担保になって居ります。
「其のG銀行で振り出した手形を、G銀行が割らないだって。
支店が違っても、T産業のことは良く承知だろうし、第一今まで
ずうっと割ってくれ手居たのではないか。銀行が手形を割らないと
業界で評判になれば、誰もT産業とは取引をしなくなる。」
Tは早速取引支店に訪問の予定です。
毎年此の時期、T産業は資金不足に襲われます。
例年は、銀行に融資をお願いして居ります。
今年も勿論お願いしました。厳しいと云うことを聞いて居たから、
紹介されたコンサルタントに資料造りを依頼し、ページ数も厚い
立派な計画書をつけて、銀行に持参しました。
しかし、今年はリスケもして居り、融資は不可との事でした。
「融資できなかった事と、何か関係あるかな。」
経理の部下に手形割引のことを言ったのです。
部下ははっと思い当たったと様にTに云ったのです。
「そう云えば今月、銀行の担当者から2度ほど電話がありました。
今月の手形の決済、大丈夫かの問い合わせです。
冗談と思って私は笑い飛ばしておきましたが。」
「融資不可と言い、割引もしないと言い、其の上大丈夫かとの
問い合わせ、尋常ではない。銀行は、何かT産業を色目で
見ていることには間違い無さそうだ。」
夜のろくろく眠れません。
翌日Tは、支店長のところに乗り込んだのです。
「此の大変なとき、良く持ち堪えましたな。敬服します。」
支店長の挨拶は単なる儀礼では無いようです。
「失礼ですが今のままでは銀行に殺されます。」
Tは担当直入、手形を割らないことを話したのです。
「我々は、何も変わらずT産業と付き合っています。
しかし、本部から何か支店に指示されているかもしれません。」
支店長は、次のことを打ち明けてくれました。
「我々は、今年も例年通りの3000万を融資しようと考えて居たのです。
ところが、お宅から提出された資料を見て驚きました。1億融資を
しても、不十分な体質に変わっております。我々の手では判断できず、
本部に資料を送り、本部の指示をお願いしたのです。」
結果は、なまじっかの融資では追いつかない。又融資をしても其の後の
右肩上りの計画が実行できるか解からない。と融資不可の指示があったと
云う事です。
そして、T産業は間違いなく倒産する。融資を断われば早くなる。
其の動向に注意すること。
又、T産業の発行手形は割らないように関係支店には通知をする。
と言う事になったと云う事です。
そういえばコンサルタントが言って居ました。
「なまじのことでは融資などしません。お宅とG銀行との間ですから、
どんな事が、あっても銀行は見捨てないでしょう。
ですから効果が大きい様、少し深刻な資料にしました。」
そのまま信用して銀行に提出したのが、融資が駄目になるどころか
手形割止めの行内通達までを出させたのです。
「あの資料は、何時ものT産業の資料とは違って居ました。
外部の指導が入っている事は直ぐに我々にも解かりました。
それだけにT産業はのっぴき為らない事情になって居るのだと
我々の推察したのです。」
「あの計画は、少しきつ過ぎて、実際は売上も回収もあれより
相当上回って居ります。だからこそ、こうして本日お伺いも
出来て居りますが、今回の手形割止めは不渡り発生と同じ効果を
仕入先にもたらして居ります。急ぎますから、私が本部に行って
取消しをお願いしたいと思いますが、お取次ぎをお願いします。
そして現在、作っている何時もの字金繰り表、早速参考にために
お届けいたします。」
楽では有りませんがT産業は頑張っています。
それにしても資料を作る場合、造り方など外部に相談は結構ですが、
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基本で無いとなりません。
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