かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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口が災いとなった債務者

2011-05-31 | 事例
暫く沈黙が続きました。
担当者からずばり、「それでどのようなご返済をお願いできますか。」と聞かれた時です。
夫婦の年金は合わせて手取り24万。これで背一杯です。
「1万くらい。」と云いたいです。それで必ず通るからと知人にも言われました。

しかしそんな額ならば、「全部で6300万ですよ。」と保証協会の担当者に怒鳴られるような気持ちです。
云うまいかと気持ちが葛藤して居ます。
見透かすように担当者が言いました。
「公庫さんも債権者でしたね。公庫さんはどうなって居りますか。」
その時に口から出た言葉は、もっとも悪い言葉でした。

「ええ、月に3万円払って居ます。」
「3万円ですか。債権の比率にしても内は10万以上になりますね。
 幾ら悪くても7万以下と言う事には出来ません。」

此処にくる前、知人から注意を受けて居ます。
公庫の担保は義母の物件で義母は担保提供者です。
収益物件で月に12万が義母に入っていました。
公庫は担保を競売したいのですが義母は公庫に半年間は家賃を入れさせてくださいと頼んだのです。

公庫はそれを承知したのです。「しかし本来家賃は第一抵当権者のものです。
その中からせめて金利分の3万円を払って下さい。」と云う約束で、
義母は家賃が入金すると3万円を振り込んで居たのです。

「公庫の事を聞かれたら、担保物件の所有者に任せてあります。
 良くわかりません。と答えるのですよ。
 保証協会は、何処よりも条件がよい事を要求しますからね。」
物慣れた知人の注意でした。

何か云わないと不味いと思って居たところに、不意の質問です。
もっとも悪い答え方をしてしまったのです。
最低7万と云われて初めて知人の言葉が身に滲みました。

「義母が払っているので、私どもとは関係ないです。」
「いいお母さんですね。だったら金額が4倍の私どもにも、払って頂いて下さい。」
こう云われると、ますますうまく説明できません。
しどろもどろになるだけです。
担当者も漸く担保内の返済で、公庫は本来ならば12万取れるのを3万にしてくれて居ると云うことが
解かってきたみたいです。
「いずれにせよ、一旦お帰りになり、2-3日のうちにはっきりした金額を
 お答えを願います。」
「月に2万ならば、即保証協会は承知をしてくれますよ。」と聞いていたのが不発です。

帰り直ちに家計収支の表を造り、正式に2万でお願いしましたが、
どうしても納得しません。
支出の細かい費用にも難癖をつけてくる有様です。

理由じゃあない。公庫より多くないと承知をしないのだ、
結局当初1年は4万と云う事で妥協しました。

こんな人も居ます。
彼は8年前、不動産を手放して保証債務を弁済して居ります。
債務者はたまたま会合で知り合った縁も義理も無い人です。
12000万の残債務に対し8000万の弁済額でした。

それから、3年ほどして彼のところに、又保証協会が尋ねてきました。
債務者の近況を知らないかと云うことと、彼にもう払えないかという事です。
債務者からは何も回収して居ない様子です。
軽くあしらって追い返したことが有ります。

それから5年、彼はもうこの件は終ったと思って居ました。
債務者が隣町に戻って羽振りがよさそうだというわさも耳に這い居て居ります。
そんなとき保証協会サービサーがひょっこり尋ねて来たのです。

旧債務の話です。請求と云うより、債務者を知らないか、
そろそろ片付けたいがと云う話でした。
もう時効にもなって居る筈の事件です。知りませんで良かったです。
それがつい口が弾みました。
「俺はこの件、無関係なのに8000万も払ったのですよ。もうこれ以上払えませんよ。
 貴方方も私など追いかけて居なくて債務者から取ったらどうですか。
 今羽振りがよいみたいですから。」

「え? 債務者の居場所をご存知ですか。是非教えて下さい。」
此処で彼も余分の事を言ったと感じたのでしょう。
「隣町に居るらしいですが詳しいことは知りませんね。
 貴方方、商売ですからご自分で調べて下さいよ。」

その日はそれで済みましたが、2ヶ月くらい経ってから再度訪問を受けたのです。
彼に払えと云って聞きません。
債務者の方はどうしたんだと聞いても答えません。
「それは貴方の方から直接聞いてください。只私どもは保証人の
 貴方にご請求申し上げているのです。」
何も無いと云う彼に、最近妻名義にした不動産が詐害行為になると
云う事まで言い出し、後1000万払ってくれればもう貴方の請求しませんと、
その場で念書を造り、彼に債務確認と支払約束をしてしまったのです。

担当者も当初はこんなつもりではなかったでしょう。
援用をすれば時効が成立する事件です。
ところが彼の言葉を聴いて、もう1度、追いかける気になったのでしょう。
第一、自分のことは棚にあげ、「他に請求しろ」と云う人は、必ず隠し資産を持って居るものです。

口が災いの元、余分の事は言わない方が無難です。


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