「お前のところの買掛金な。東京の横に長い名前の会社が差押たぞ。儂はどうすれば良いんだ。」
「しまった。」
彼は青くなりました。
しかし次の瞬間、その得意先から差押調書をFaxして貰い、その前の日付で売掛金を新会社に
譲渡した旨の通知文をつくり、其れを持って差押の有った十数軒を回ることにしました。
内容証明を送ったのでは日付の点で東京のファイナンス会社（F社）に負けるからです。
「銀行から借りられなくともよい。手形が割れなくなるのが一番困る。」
彼の得意先は殆ど手形です。どんなに値引きを示唆しても現金にしてくれません。
そこで、回収した手形は裏判を押して支払いに回します。
しかしそれで全部が片付けばよいですが、どうしても割る必要が生じます。
銀行取引停止後、手形割りに一番苦労してきたのです。
当初は別会社の名前で信金が割ってくれました。
しかし割った手形が不渡りになった時、直ぐにその補充が出来ないため、信金も割らなくないました。
色々業者を探しましたが、有りそうで有りません。
あのロプロに依頼したのも此の頃です。
少し金利は高いですが漸く落ち着いたと思ったら、ロプロの倒産です。
困った彼が探し当てのが中小企業信用保証機構（Ｓ機構）、例の振興銀行のグループでした。
ロプロ倒産以後は此処専門です。
しかし、振興銀行の経営不振の問題が発生し、此のＳ機構も自己破産をしました。
此の破産の前に彼は最近取引をした1軒の手形を多く持ち込んで居ます。
いずれも台風手形でした。
その後は割るところがないため、彼は取引先2-3社のオーナーにに泣きついて手形を割って居ます。
勿論、個人の内職ですから割る量も知れて居ます。しかも銘柄に拘ります。
結局、回せない・割れない手形が出ますが其れを担保代わりにとオーナーは預かって返してくれません。
如何せん資金繰りが続かず、彼は一旦整理のために、自分は全く表面に出ない、従業員主催の第2会社を
作ることにしました。
次の支払日に、支払いをせずに、第2会社の事を発表します。
その頃、彼にもう一つの問題が起こっていました。あのＳ機構です。
債権をＦ社が引継いだらしいです。
そんな時に彼が大量に台風手形を回したあの業者が倒産をしたのです。
普通だったら大騒ぎになって居た筈です。しかし割ったＳ機構はとっくに自己破産をして居ます。
すぐには何にも言って来ません。Ｓ機構が破産をしたから、こうした不渡りも免責になるのかなと
思って居たら、やがて言ってきました。言い始めると五月蝿いです。
電話と書面の2重攻勢。彼は徹底して放って置きました。
お決まりのコースで、やがて訴訟。敗訴。
そろそろ差押の時期です。彼は第2会社で、之まで逃げれると踏んでいました。
ところが1歩早く、相手は売掛金の差押をしてきたのです。
之を差押えられれば第2会社どころでは有りません。
彼は直ちに十数軒に電話をし、「譲渡済みで承諾したから払えない。」との返事を要請しました。
之で1件落着かと思って居ました。
もう直ぐ発生する不払い、第2会社移行の理由付けにもなると思って居ました。
ところがそれから1週間もたたないうちに又違う得意先からF社に差し押さえにあったと電話です。
と同時に別便でF社から妙な手紙が来て居ると云うのです。
手形は全てS機構で割って居ましたから、得意先名簿は筒抜けです。
手紙には彼が第2会社を作ってのは刑事問題にもなる事で、それに加担し、第2会社に支払った人は、
必ずわが社に払うようになり2重払いになります。「わが社に払え」という文句と、彼の行動を明らかに
したいから、協力をしてくださいと、何かアンケート用紙が入って居ます。
之は、今回の追加差押組だけでなく以前差押になったところにも届いて居る様です。
こんな嫌がらせの文章はその後も時間をおかず、2回届いて居ます。
困ったことに、得意先は、F社にも払わない上に、彼にも払わないと言い出したのです。
此の騒ぎの最中に彼の不払い騒ぎが発生しました。
当然、債権確保のために、売掛金の拘束の話が出ました。
しかし、此処で判明したのは彼がオーナーに万一の事が有った場合は、売掛金を全て譲渡染ますと、
確定日付のある念書を入れて居たことです。
Ｆ社のお陰で第2会社が売掛金をうまく回収する計画は一時、頓挫しました。
計画は大きくづれました。
しかしやがては結局彼が回収するようになるのではないでしょうか。
しかし。第2会社がそれから立ち上がれるかは解かりません。
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「しまった。」
彼は青くなりました。
しかし次の瞬間、その得意先から差押調書をFaxして貰い、その前の日付で売掛金を新会社に
譲渡した旨の通知文をつくり、其れを持って差押の有った十数軒を回ることにしました。
内容証明を送ったのでは日付の点で東京のファイナンス会社（F社）に負けるからです。
「銀行から借りられなくともよい。手形が割れなくなるのが一番困る。」
彼の得意先は殆ど手形です。どんなに値引きを示唆しても現金にしてくれません。
そこで、回収した手形は裏判を押して支払いに回します。
しかしそれで全部が片付けばよいですが、どうしても割る必要が生じます。
銀行取引停止後、手形割りに一番苦労してきたのです。
当初は別会社の名前で信金が割ってくれました。
しかし割った手形が不渡りになった時、直ぐにその補充が出来ないため、信金も割らなくないました。
色々業者を探しましたが、有りそうで有りません。
あのロプロに依頼したのも此の頃です。
少し金利は高いですが漸く落ち着いたと思ったら、ロプロの倒産です。
困った彼が探し当てのが中小企業信用保証機構（Ｓ機構）、例の振興銀行のグループでした。
ロプロ倒産以後は此処専門です。
しかし、振興銀行の経営不振の問題が発生し、此のＳ機構も自己破産をしました。
此の破産の前に彼は最近取引をした1軒の手形を多く持ち込んで居ます。
いずれも台風手形でした。
その後は割るところがないため、彼は取引先2-3社のオーナーにに泣きついて手形を割って居ます。
勿論、個人の内職ですから割る量も知れて居ます。しかも銘柄に拘ります。
結局、回せない・割れない手形が出ますが其れを担保代わりにとオーナーは預かって返してくれません。
如何せん資金繰りが続かず、彼は一旦整理のために、自分は全く表面に出ない、従業員主催の第2会社を
作ることにしました。
次の支払日に、支払いをせずに、第2会社の事を発表します。
その頃、彼にもう一つの問題が起こっていました。あのＳ機構です。
債権をＦ社が引継いだらしいです。
そんな時に彼が大量に台風手形を回したあの業者が倒産をしたのです。
普通だったら大騒ぎになって居た筈です。しかし割ったＳ機構はとっくに自己破産をして居ます。
すぐには何にも言って来ません。Ｓ機構が破産をしたから、こうした不渡りも免責になるのかなと
思って居たら、やがて言ってきました。言い始めると五月蝿いです。
電話と書面の2重攻勢。彼は徹底して放って置きました。
お決まりのコースで、やがて訴訟。敗訴。
そろそろ差押の時期です。彼は第2会社で、之まで逃げれると踏んでいました。
ところが1歩早く、相手は売掛金の差押をしてきたのです。
之を差押えられれば第2会社どころでは有りません。
彼は直ちに十数軒に電話をし、「譲渡済みで承諾したから払えない。」との返事を要請しました。
之で1件落着かと思って居ました。
もう直ぐ発生する不払い、第2会社移行の理由付けにもなると思って居ました。
ところがそれから1週間もたたないうちに又違う得意先からF社に差し押さえにあったと電話です。
と同時に別便でF社から妙な手紙が来て居ると云うのです。
手形は全てS機構で割って居ましたから、得意先名簿は筒抜けです。
手紙には彼が第2会社を作ってのは刑事問題にもなる事で、それに加担し、第2会社に支払った人は、
必ずわが社に払うようになり2重払いになります。「わが社に払え」という文句と、彼の行動を明らかに
したいから、協力をしてくださいと、何かアンケート用紙が入って居ます。
之は、今回の追加差押組だけでなく以前差押になったところにも届いて居る様です。
こんな嫌がらせの文章はその後も時間をおかず、2回届いて居ます。
困ったことに、得意先は、F社にも払わない上に、彼にも払わないと言い出したのです。
此の騒ぎの最中に彼の不払い騒ぎが発生しました。
当然、債権確保のために、売掛金の拘束の話が出ました。
しかし、此処で判明したのは彼がオーナーに万一の事が有った場合は、売掛金を全て譲渡染ますと、
確定日付のある念書を入れて居たことです。
Ｆ社のお陰で第2会社が売掛金をうまく回収する計画は一時、頓挫しました。
計画は大きくづれました。
しかしやがては結局彼が回収するようになるのではないでしょうか。
しかし。第2会社がそれから立ち上がれるかは解かりません。
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